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ぷるんぷるるん

女の子に気持ち良くいじめられるM男向け官能小説公開中。

目次と説明

M男向け以外の小説などは別ブログにて掲載中です。
『幼馴染とエロ愉しく過ごす日々』もこちらにて。 → もんすぅん


更新 2018-10-09 透き通る程に澄んだ柔肌と声音
 番外編です。
 知奈ルートの続きは、2、3記事分書いてから順番に投稿する予定です。


*コメント・拍手については、ブログの更新をお返事に代えさせていただいております。

目次

■淫魔とか出てくる短編小説
淫魔に全身を舐め回されて(キス 乳首舐め フェラチオ)
前編 / 後編
淫魔でナースな幼馴染(媚薬、ナース、アナル責め)
前編 / 中編 / 後編
覗きのお仕置き、魔性の水泳部(覗き、アナル、去勢・半女体化、3人称)
前編 / 後編

■淫魔とか出て来ない短編小説
邂逅、それから(スパンキング、前立腺責め)
前編 / 中編 / 後編
恋人は巨根のふたなり(ふたなり、男が犯される側)
前編 / 中編 / 後編1 / 後編2

■催眠術とか掛けられる短編小説
後輩マネージャーの催眠術(年下の女の子、包茎化、寸止め)
前編 / 中編 / 後編
お姉さんに催眠術を掛けられて雌化(逆アナル 前立腺 メス化)
前編 / 中編 / 後編

■モンスター娘を題材にした小説
淫靡な試練(スライム娘に寄生される淫魔ハンター)
10(完結)
触手娘に突然襲われる(逆アナル 男が触手に口を犯される)
前編 / 後編
スライム娘にアナルを犯される(逆アナル 前立腺 手・オナホコキ)
前編 / 後編
スライム娘飼育記録(M要素薄め、1人称)
10前10後1112前12後最終前最終後

■長編小説
包茎再教育『マゾの刻印』(包茎男子が女子だけのクラスに編入させられ、虐められる小説)
101112131415
16171819202122/※22以降分岐しています。
 ▼松丸知奈ルート
 101112131415
 161718192021222324252627
 28293031323334
 ▼戸倉真里ルート
 
 ▼高津芽衣ルート
 
 ▼宮久保若菜ルート
 
 ▼荒谷悠ルート
 
 ▼貝塚文子ルート
 1011
 ▼メス化ルート
 B1B2
 ★おまけ
 EX1EX2EX3
 EX5 A
 EX5 B
 炬燵、包茎、美少女
 包茎ゆえの恋路
 透き通る程に澄んだ柔肌と声音

SM的スポーツジム(スポーツウェアの女の子に責められる話です)
10111213(エロ無し注意)/完結

闇とシコシコr(同名の旧作を改稿したものです)
10111213141516/完
闇とシコシコ#読みきりパンツコキ(顔面騎乗 パンツコキ)

■一記事読みきり短編小説
全裸ウェイターの若者(CFNM 寝取られ M男の目線ではなく第三者目線)
スライム娘にプールで犯される(スライム 前立腺 微ホラー?)
自分より背の高い年下の子(背の高い女の子 逆ナン 膝で股間をぐりぐり)
制服に化けたミミック娘に犯される(物体に擬態した美女 本番描写あり)

 長くなって来たので分割しています。
 上記以外は『目次その2』にて。

★DL販売始めました
販売小説一覧(試し読みできます)
その1その2その3その4その5その6その7その8
ジャンル別
 学園物、学生ヒロイン
 淫魔、モンスター娘
 ファンタジー
 ふたなり
 その他

★ブラウザ視聴に関して

販売先サイト
同人誌、同人ゲーム、同人ソフトのダウンロードショップ - DLsite.com

★販売中の作品の番外編など
嗜虐の魔法少女シリーズ番外編
射精解禁日  前編後編

●DL販売に関するブログ
 新作情報の自動投稿の他、時々雑記。FC2ブログが閲覧出来ない時などのアナウンスもこちらにて行う予定です。

★その他、雑記や、変わったテーマの小説や、それ以外の文章など

2015/06(休止です)
2015/05(プライベートとか、どうでも良いことばかり)
2015/04(振り返って、色々と)
2015/03(反省とお知らせ)
2015/02(管理人の雑記など)
一年が経過しました(管理人の雑記)

淫語・言葉責めコレクション(女の子の台詞だけで構成された話)




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連載・掲載している小説のその後に関して(2017/04/29)

基本的に完結までをブログで掲載しますが、その後に修正・加筆などを加えた内容の文章を有料販売する事があります。
その場合もブログへの掲載は取り下げませんし、ブログを読んでいて急に課金が発生するような事はありません。

ストーリーを大きく変える様な修正・加筆などは行いませんが、新規のエッチシーンなどを加える可能性はあります。

ブログ運営に関しては、ほとんどこれまで通りのままですが「一部分が有料化する事もありますよ」と言う注意書きです。
前述の通り、ブログで始めた物語は、きちんと終幕までを掲載する予定なので「前半無料・後半有料」などと言った事はしませんので、その点はご安心ください。


ランキングに参加しています。









当ブログに掲載している小説の一部は「小説家になろう」「Pixiv」「novelist.jp」「暁」にも掲載しています。

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目次 その2

目次 その2です。

■淫魔に搾り取られる小説
包茎にされたい
前編 / 後編
淫魔の呪い(逆アナル多め 複数人から性的にいじめられる)
前編 / 後編
ギャル風淫魔にいじめられる包茎(包茎 童貞 ギャル レズ)
前編 / 中編 / 後編
水泳部のお仕置き(『覗きのお仕置き、魔性の水泳部』の前身です)
前編 / 中編 / 後編
怒りのペロペロ(唾液、媚薬、男がお仕置きされる系 3人称)
前編 / 後編
包茎男子と淫魔(包茎、良い匂いの女の子、エロ成分少なめ)
前編 / 後編
淫魔様の家畜(調教済みM男、包茎、射精管理)
前編 / 中編 / 後編

■一記事読みきり短編小説
脈絡もなく淫魔に襲われる話(逆アナル 前立腺 半女体化)
露出狂に遭遇した淫魔(おっさん 女体化 淫魔)

■ふたなり×M男をテーマにした小説
ふたなりM性感(フェラ アナルセックス 敬語)
前編 / 後編
ふたなりの後輩に犯される男(兜合わせ フェラ アナルセックス)
前編 / 中編 / 後編

■美少女ヒーローをテーマにした小説
プリティハンター!(女の子3人、調教、実験作)
前編 / 後編

■ジャンル未定
お菓子にされる生殖器(怒りのペロペロのリメイク 淫魔設定なし 乳首、玉舐め、フェラ 男根、精液をお菓子扱いなど)
前編 / 後編

闇とシコシコ(純愛コメディ、女の子に自慰を見せたり、一緒にしたり系)
※改稿版があるので、基本的にはそちらをどうぞ。
10【エロ無し注意】111213最終話

■体験談風M男小説
足コキいじめ、他(短編集)
全裸で散歩させられた

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透き通る程に澄んだ柔肌と声音

“私のこと、好きにして良いよ”

 破廉恥極まる下着姿をした美少女に、艶やかな声音で囁かれた場合、大抵の男は理性を失い、肉欲の奴隷となるだろう。
 無論、彼もそうであった。
 火が付いたように身体が火照り、肉棒は雄々しくその身を膨らませる。
 彼は鼻息を荒くしながら、淫靡に彩られた女体へと近付く。
 体温が感じられるほどに顔を寄せる。ほの甘い香りが鼻腔をくすぐり、彼の劣情は一層高まっていく。
 ペニスがドクドクと大きな脈を打ち、我慢汁が尿道口からじんわりと溢れ出す。
 極度の発情を示す彼の肉体を見て、少女はくすりと笑った。
 声に反応した男が顔を上げた。
 目が合うと少女は妖しく口角を上げて問うた。

「……どうしたの? せっかく好きにして良いのに、何もしない?」

 彼は曖昧な呻き声を上げるばかりで、乳房に手を伸ばすことさえしない。
 ――いや、しないでのはなく、出来ないのだ。
 そもそも“彼”とは、樫田渉であり、彼の劣情を悪戯に煽り立てているのは高津芽衣だ。二人の関係からして、全うな淫事には成り得ないのである。
 そうでなくとも後ろ手に手錠を掛けられているのだから、眼前の蠱惑的な女体に触れるのは不可能だった。
 芽衣は樫田の耳元に顔を寄せて、悪戯っ気をたっぷりと含んだ可愛らしい声音で囁いた。

「ああ。エッチなことしたくても、出来ないんだっけ?」

「うう……た、高津さん、こんなの……我慢できない……!」

「ふふっ、もう一ヶ月だっけ? オナニーすらさせてあげないもんね」

「あうう、早く、早く触ってください!」

 彼の欲望を体現するかのように、ペニスが二、三度大きく跳ね上がった。

「それじゃあ……頑張って我慢出来た樫田くんにご褒美。フェラチオしてあげよっか?」

 鼓膜を震わすばかりでなく、脳へと直に染みていくような澄んだ声が淫語を紡ぐ。樫田は返答もままならぬほどの興奮に襲われ、荒々しく息を吐きながら頭を何度も縦に振った。
 そんな彼の耳元に、一つ静かに長く吐息を吹いて、芽衣は言った。

「初めてだから、上手に出来なかったらごめんね」

 男心をくすぐる台詞。次いではにかむような笑い声。樫田の胸がドキリと鳴った。
 彼が期待と興奮を膨らませていると、大きく口を開く気配がした。
 何故? と疑問を抱いた次の瞬間には耳をぺろりと舐め上げられた。

「ひゃっ」

 樫田が妙な声を上げて身を震わせた。その反応に芽衣は目を細めつつ、耳の端を口に含んでちゅぱちゅぱと吸い始めた。

「あうっ、う、たっ、高津さん……!?」

 困惑する樫田を無視して、芽衣は耳を責め続けた。
 甘く噛んで、優しく吸って、妖しく舐め上げる。
 唾液の音を響かせながらの口を駆使した責めもさることながら、時折漏れる控え目な呼気が耳に触れるのも酷くこそばゆかった。
 樫田は喘ぎ声を上げて全身を震わせている。
 震えは全身に及び、その姿は苦痛に悶えているようにも見える。だが、そうではないことをペニスがはっきりと示している。彼のすっぽりと皮を被った肉棒は、ピンッと上を向いており、その先端からは我慢汁が糸を引きながらダラダラと滴っている。

「あっ、ああぁ……!」

 情けない声を上げた樫田の身体が膝から崩れ落ちた。
 はあはあと絶え間なく熱の篭った吐息を漏らす彼は、床の上で身を守るようにうずくまった。
 その身を見下ろした芽衣は、ちらりと舌を出して笑った。
 笑みは彼女が満たされたことを示してはいなかった。
 うずくまる彼の傍で四つん這いになり、耳元へと、薄ピンクの唇を近付ける。ちゅっ、と音を鳴らしてキスをした。
 ぶるる、と樫田の身体が震えたのを芽衣は全身で感じ取り、くすくす、と笑った。
 それがまたこそばゆく、樫田は悲鳴を上げた。
 彼の反応をせせら笑い、芽衣は言う。

「あんまり敏感だから、こっちがおちんちんかと思って間違えちゃった」

 耳と陰茎を間違える訳がない。樫田は内心そう憤ったが、口から出てくるのは情けなく震えた吐息ばかりだった。

「せっかく女の子がエッチな下着で誘惑してるのに、何もしないつもり?」

「はあ、はあ……はあ……。そんなことを言っても……」

「……言い訳ばっかりのつまらない男の子はモテないよ」

 芽衣が悪戯っぽい声でそそのかすと、樫田は上体を強引に起こした。
 きゃっ、と短い悲鳴が上がったが、どこか演技掛かっていた。
 体勢を崩した様子もなく、軽やかに樫田の正面に回った芽衣が、小ばかにしたような表情で言う。

「勢い良く起きたけど、次はどうするつもり? 土下座しながらつま先にキスでもするの? 奴隷みたいに」

 彼女の言葉は樫田をムッとさせ、普段のような弱腰でいることをやめさせた。彼は己の欲望に従い、身を乗り出した。
 芽衣の股間に顔を寄せ、黒地に緑の刺繍の入ったショーツの端に歯を引っ掛けた。

「ふふっ。いきなりショーツを脱がせるなんて、やっぱり童貞だね」

 樫田は一瞬だけ動きを止めたが、すぐに再開した。ここで怯んではいつもと変わらない、と自身を鼓舞しながら口を使って必死に下着を脱がせる。
 陰毛が露になり、彼が鼻息を荒くさせる。
 芽衣は小さく笑い声を上げながら、女陰を見ようと血眼になる樫田を見下ろしている。やがて、クロッチが割れ目から離れた。
 樫田がほんのりと期待していたような濡れ方ではなかったが、彼女も少なからず興奮していることが分かる程度には、湿り気が見受けられた。
 その事実に、樫田はますます呼吸を荒くする。
 包皮こそ被ったままだが、ペニスはこれ以上なく硬く大きく膨らんでいる。加えて激しく脈打ち、上下に揺れ動いていた。

「まだ脱がせただけなのに、興奮し過ぎじゃない? 樫田くん」

 芽衣がそう口にしながら、彼からやや距離を取る。交互に片足を上げてショーツを完全に脱ぎ捨てる。
 その一挙一動に劣情を掻き立てられ、樫田はもどかしげに不自由な身を揺すった。

「ちょっとおちんちん弄ったらすぐに射精しちゃいそうだね?」

 言いながら、そこへと脚を伸ばす。
 屹立する肉棒をゆっくりと踏む。
 甘い疼きに支配された男根は、僅かな刺激を受けただけで、多大な快感を生み出した。樫田の口から嬌声が上がる。
 芽衣は可愛らしい声でくすくすと笑い、こう言った。

「短小で包茎、更には早漏なんて、マゾになる為に生まれてきたみたいだね、樫田くん。ふふ、馬鹿にされたからもうイッちゃう?」

「うっ……。そんなことは……!」

 何とか快楽に抗いながら、樫田は首を横に振る。

「ない? それじゃあ、こんなことをされても我慢出来るかな?」

 白いつま先を持ち上げ、親ゆびと人差しゆびを大きく広げる。樫田のペニスは二本のゆびで楽々と挟み込める程度の太さしかない。
 足のゆびがぎゅっと締まる。

「あうっ……うう……」

「ふふ。まだこれからだよ。イッちゃったらお仕置きだからね」

 包茎を挟み込んだゆびがゆっくりと根元へ向かっていく。
 じりじりと包皮を剥かれる感覚に、樫田は堪らず嬌声を上げる。
 ペニスが激しく脈打つ中で、亀頭の先が露になる。鈴口から我慢汁がとろりと流れ出した。

「……すっごく濡れてるけど、もう出ちゃいそうなの?」

 ふうふうと熱っぽい息を吐きながら、樫田は首を横に振る。

「……おちんちんの皮を最後まで剥いても射精しなかったら、今度こそ口を使って気持ち良くしてあげる」

 妖艶な声色で告げられたご褒美の内容は、何としても精液を漏らすまいと樫田に決心させるに充分な魅力を持っていた。

「どう? それなら、我慢出来るかな?」

 芽衣の問い掛けに、樫田は首を何度も縦に振る。
 浅ましく快楽を求める姿に、芽衣は小さく笑みを零した後、彼に告げた通り、ゆっくりと包皮を剥き始めた。
 美少女の白いつま先が、肉棒を一層醜い姿へ変えていく。
 我慢汁で濡れ光る赤黒い亀頭の露出が増す。その度に狂おしい程に甘い疼きが込み上げ、樫田は喘ぎを漏らす。
 常に包皮によって保護されている敏感なその部分は、外気に触れるだけで快感を生み出していた。
 情けなく身悶える彼を見下ろす芽衣の瞳には愉悦の色が濃く滲んでいる。

「もう少しだよ。しっかり我慢してね」

 樫田に返事をする余裕はなく、彼は黙って身を強張らせ、唇を噛んだ。

「ふふっ。その必死な顔、ちょっと可愛いかも」

 そう告げた後、芽衣は上体を前方へと傾けた。
 真っ白な胸元が眼前へ迫ると樫田は息を呑んだ。彼の顔へと芽衣が手のを伸ばす。頬から首筋へ掛けてをそっと指先で撫でた後、肩に手を掛けた。

「最後は一気にいくね」

 愉しげな声音が告げた通り、彼女のつま先は勢い良く下がった。
 亀頭の最も膨らんだ部分を分厚い包皮が通り抜ける。そこへ芽衣の足指による圧力も掛かっている。
 樫田は背を反らし、甲高い声で短く喘いだ。
 室内に芽衣の小さく可憐な笑い声が響く。
 快楽が一瞬で引いた為に喘ぎ声が短く済んだのではない。樫田が唇を噛んで無理に止めた為だ。
 彼は芽衣の足元で、全身を強張らせていた。少しでも気を抜けば果ててしまいそうだった。
 射精という出口を失った快楽は苦痛にも似た性質へと変わりながらも、樫田の身体中を甘く蕩かせていた。
 しばし、芽衣は黙ったままで彼の姿を見下ろしていた。
 薄紅色の小ぶりな唇が小さく開かれ、熱と湿り気を帯びた吐息が上がった。
 手を掛けているのとは逆の耳元へと顔を寄せ、彼女は囁く。

「凄く気持ち良さそうな顔だね。ひょっとして射精するよりもこっちの方が好きなのかな。女の子に命令されて精液おもらしするの我慢。苦しいはずなのに、変態マゾちんちんは、お馬鹿さんだから悦んじゃう。本当、樫田くんって虐められるのが大好きだよね」

 澄んだ声音に乗せられた淫猥な言葉が脳へと染み込む。
 樫田は震えた声を上げながら、情けなくその場でうずくまった。下腹部の熱と疼きは、もはや耐えられないほどに強くなっていた。
 芽衣が、足元で丸くなった彼の背に手を伸ばし、手錠を外す。だらりと力なく腕が下ろされ、背中が空くと、そこへ覆い被さった。
 背に伝わる柔らかさ、温かさだけで気がどうにかなってしまいそうな程に、樫田は興奮させられてしまう。彼はビクビクと打ち震える男根の先、尿道口からだらりと我慢汁が漏れ出すのを認めていた。
 そんな彼に追い打ちを掛けるように、芽衣は耳元へと顔を寄せ、その可憐な唇を窄めて吐息をゆっくりと吹き付けた。

「ひっ、あううっ」と、樫田は甲高い声を上げたが、芽衣は責めの手を緩めようとはしなかった。息を吹き込んだ耳へと今度は舌を伸ばす。唾液を纏う鮮やかな赤色の舌先がちろりと複雑な凹凸を舐め上げた。
 またしても樫田は素っ頓狂な声を上げて全身を震わせた。
 そこへ芽衣が追い討ちを掛けるように囁く。

「そんなに感じちゃって恥ずかしくないの?」

 羞恥を感じる余裕など、樫田にはなかった。彼はただ、ひいひい、はあはあ、と荒く呼吸を繰り返すばかりだ。

「ふふっ。もしかして……」

 彼女の操る美声には何度となく翻弄され、惨めに精を搾り取られてきた。このまま魔性を秘めた声音と言葉を脳へと流し込まれ続ければ、意のままに絶頂させられてしまう。
 樫田は意識を反らそうと試みるが、耳のすぐ近くで鳴り続ける艶やかな呼吸音は、彼を逃してはくれない。
 芽衣は十分に間を置き、彼が次の言葉を待ちわびて耳を澄ませるように仕向けてから口を開いた。

「アレ、出ちゃったのかな? 一ヶ月間、ずーっと溜め込んでいた……白くてドロドロのいやらしい臭いがする……ふふふ、おちんちんに触ってもいないのに、ザーメン、びゅーってしちゃったの?」

 媚声でありながら挑発的であり、侮蔑の色さえ含んだそれは、今の樫田が最も求めていたものだと言っても差し支えなかった。
 歓喜の嬌声を上げて全身を痙攣させる。
 ペニスの先から溢れ出る我慢汁は、余りに大量であり、一瞬、彼は射精を迎えてしまったかのように錯覚したが、依然として下腹部にはずっしりとした重さを感じるような熱が残っており、まだ果てていないことを自覚した。
 
「まっ、まだ、まだイッてないです!」

 もはや芽衣に抗おうなどとは考えられず、樫田は素直にそう告げた。

「せっかくいっぱい我慢したんだから、もっと楽しまないと損だもんね。でも、今度のは耐えられるかな?」

 言い終えると、芽衣はその声音からは想像も出来ないような荒々しさで彼の耳を責め立て始めた。舌はもちろんの事ながら、唇や歯も巧みに用い、唾液や吐息、声音をも淫具のように使いこなす。
 舐め回し、接吻し、甘く噛み付き、唾液の音を響かせ、吐息を吹き付けたかと思えば、嬌声を上げる。刺激の種類もさることながら、一切の手抜きなく、夢中で責める芽衣の態度が樫田の劣情を殊更に煽り立てていた。
 気が狂うような快感と興奮に、樫田は涙と唾液を垂れ流しながら、悲鳴を上げる。芽衣が背から離れるまでの間に、彼の理性はすっかり壊されてしまっていた。
 責めは止んだというのに、今もまだ耳を舐められ、甘い吐息と妖しい声音によって鼓膜を震わせられている気がしてならなかった。
 全身を小刻みに痙攣させながら、樫田は床にごろりと転がった。
 息も絶え絶えで、憔悴した様子ながらに、しっかりと勃起している。その姿を見下ろしながら、芽衣はぎゅっと閉じた太ももを擦り合わせた。自身の秘所が蕩けているのを認めて、彼女は淫靡に微笑んだ。
 それから、脚を使って樫田の身体を転がし、仰向けにさせた。
 彼の足元へと回り、膝をつく。股を開いてその間に入り込む。彼女が目を向ける先では肉棒が今か今かと快感を待ち侘びているかのように、脈を打ち続けている。
 芽衣が腕を伸ばす。華奢な少女の手にもすっぽりと収まる小ささのペニスをそっと握り、人差し指を伸ばして亀頭を撫でる。

「よく我慢出来たね。出しちゃうんじゃないかと思った」

「うっ、くうっ、う、たっ、高津さん、そ、それ……駄目……!」

 射精寸前まで追い詰められた男根は酷く敏感になっており、元より刺激に弱い亀頭、特に尿道口を弄ばれては堪ったものではなかった。

「そうだね。あんまり弄っておもらししちゃったら可哀想だし、やめてあげる。約束通り、ご褒美を上げなくちゃね」

 芽衣はそう言ったが、ペニスに顔を寄せることはせずに、立ち上がった。彼女は口淫を仄めかしていたはずだ。
 それを指摘すべき樫田は口を開くが、言葉は出てこなかった。
 美しく澄んだ声と、それに見合って有り余るほどの美しい容姿の持ち主が、あられもない姿で立ち上がったのだから無理もない。床に寝そべった状態で見上げていると一層魅力的に思えてしまうのは、彼が被虐の虜になっているがゆえだろう。
 あからさまに目の色が変わった樫田の顔を見つめながら、芽衣は焦らすようなゆっくりとした動きで彼の胴体を跨いで腰を下ろした。
 腹部に触れた秘部の熱と湿り気に、樫田が息を呑む。

「興奮してるの?」

 芽衣の問い掛けに、樫田は鼻息を荒くさせながら首を縦に振る。

「ふふふっ、正直な樫田くんには、少しサービスしちゃおうかな」

 そう言うと、彼女は僅かに身を屈めると腕を背面へと回した。
 食い入るように樫田が見つめている中で、芽衣がブラジャーを外す。
 露になった真っ白い乳房が小さく揺れる。その先端では薄紅色の乳首がぷっくりと膨らんでいる。
 樫田の腕が反射的に動くも、それを制するように、芽衣は彼の頬を挟み込むように手を添えた。それから身を乗り出して言う。

「ねえ、よく見て。今からここでおちんちん気持ち良くされちゃうんだよ」

 彼女は樫田の視線が自身の唇に向けられているのを認めてから、口元に小さくを笑みを浮かべた。
 弧を描いた可憐な唇が、今度は窄められる。そうかと思えば、開かれ、舌が突き出される。様々な姿を見せる唇の柔軟性は、樫田に淫猥な印象を与えていた。殊更に、こんな状況であれば性器を連想させられてしまうのも無理はなかった。
 ごくりと音を立てて生唾を飲み込み、樫田が声を上げる。

「たっ、高津さん……」

「何?」と小首を傾げる何気ない動作でさえ、一糸纏わぬ姿では艶やかに映って仕方がない。
 樫田はしどろもどろになりながら、何とか「早くして欲しい」という旨を口にした。

「ん、そう焦らないで。ねえ……口を開けて?」

 じれったいと感じつつも、樫田は彼女の言葉に従う。
 彼が餌を待ち侘びる雛のように大口を開けていると、芽衣がゆっくりと顔を寄せてきた。
 さらさらとした髪の毛先が、頬や額をくすぐる。
 キスして貰えるのだろうか。樫田はそんな期待を抱いてしまったが、すぐに見当違いの願望であったと認めた。
 唇が触れ合うずっと手前で動きを止めた彼女は、艶やかな髪をかき上げて、唇を窄めた。
「あ」と呻いた樫田の口内に、唾液の雫が落とされる。
 樫田は脳がぐにゃりと溶けていくような興奮に苛まれ、黙ったままで彼女の唾液を飲み込んだ。
 唾液を落とした嗜虐的な美少女の顔を見上げて、樫田は恍惚の表情を浮かべる。そんな彼の頬へ、芽衣は何の前触れもなく目一杯の力で平手打ちを放った。
「うぐっ」と呻いた後、樫田は「なんで」と当惑の声を上げる。
 彼の言葉に答えは返さず、芽衣はその口へと指を突っ込んだ。

「……唾を飲まされて興奮するような包茎マゾちんぽの童貞くんが、本気でフェラチオなんかしてもらえると思ったの? 馬鹿じゃないの。……ねえ、樫田くんがしゃぶってよ、指。そうしたら射精だけはさせてあげるけど?」

 これまでとは一転した冷たい声音に眼差し。
 辛辣な罵倒には胸がずきりとさせられるが、同時にカッと火が付いたように下腹部が熱を帯びたのも事実だった。
 樫田の口腔を指で弄びながら、芽衣が言う。

「早くしてよ。それとも、もう一ヶ月、我慢させられたい?」

 彼女の言葉に、樫田は首を左右に軽く振りながら、くぐもった呻き声を上げた。
 ここから更に射精を禁じられるなど、想像するだけで気が変になってしまいそうだった。樫田は渋々と芽衣の指に舌を這わせ始めた。

「丁寧にね。舐めるばかりじゃなくて、口を全部使って……自分がどんな風におちんちんを可愛がって欲しいか想像ながら、その通りにして」

 言われるがまま、樫田は脳裏に口淫を行う芽衣の姿を思い描く。その動きを模倣するようにして、彼女の指を舐めしゃぶる。
 空想の中にある女体に自身を重ね、口腔を用いて他者に奉仕することは、樫田に奇妙な高揚感を与えていた。自分が酷く弱い生き物になったような錯覚と、相対的に芽衣の価値が高まっていくような感覚が、そうさせていた。
 指への奉仕を続ける樫田の顔つきがうっとりとしてくると、芽衣は彼の身体を下りた。
 彼女がゆっくりと指を引き抜く。樫田は唾液に濡れたそれをじっと物欲しそうに見つめている。
 そんな樫田の表情をせせら笑いながら、芽衣はおびただしい量の我慢汁でぐっしょりと濡れている彼の股間へと手を伸ばした。
 肉棒の根元を握る。樫田の口からは甲高い喘ぎ声が上がった。

「まだ触っただけなのに、感じすぎじゃないかな。……何秒耐えられる? 二秒? 三秒?」

 嬉々とした声色で意地悪く問い掛けながら、彼女は亀頭の膨らみに引っかかっていた包皮を元に戻した。
 屹立していながらも、その身をくすんだ肌色に染められたペニスは、恥じ入るように、それでいて羞恥に快楽を見いだしているかのように、ビクビクと大仰に打ち震えている。
 芽衣はその包皮の先端をきゅっと摘まみ、思い切り引っ張り上げた。

「樫田くんの包茎ちんちんには、フェラチオなんて必要ないでしょ? こうして皮を引っ張られるだけで気持ち良くなっちゃうんだから、ね?」

 彼女の言葉を激しく肯定するかのように、樫田はあられもない声を上げ、身を震わせた。

「ほら、自分でも言ってごらん? 女の子から馬鹿にされて、おちんちんの皮を虐められるだけで十分です、って。それだけで気持ち良くて堪らなくなっちゃう変態です、って」

「あっ、ああ、そんなっ……」

 快感は否定のしようがない程に強くなっていたのは事実だが、口にするのが躊躇われるような恥ずかしい台詞だ。樫田はほんの少し、抵抗を見せていた。
 それを突き崩すべく、芽衣は甘い声音で「早く」とせがみながら、包皮を優しく引っ張った。
「うっ」と呻いた後、樫田は、はあはあと荒い呼吸を挟みながら、先の台詞を辿った。もちろん、一言一句そのままではなかったが、大よその意味は同じだ。
 樫田の顔は羞恥で赤く染まるが、同時に恍惚を湛えていた。彼が言う。

「しゃっ、射精させてくださいっ! もっとちんぽの皮を虐めて欲しいです……!」

 その声音もうっとりとしていた。
 樫田が情けなく快楽を求める姿に、芽衣は妖しい笑みを浮かべた後、包皮を限界まで引っ張り上げた。

「ああああぁっ!」

 樫田の震える嬌声が響く。

「気持ち良くしてあげようなんて考えずに、ただ力一杯引っ張ってるだけなのに……そんなに感じちゃうんだ?」

 彼からまともな言葉は返ってこない。その口から上がるのは、喘ぎ声ばかりだ。
 芽衣はくすくすと笑いながら、包皮を引っ張る動きに「捻り」を加えた。もとより引き伸ばされて細長くなっている包皮が一層奇妙な姿となった。
 これには樫田も僅かばかりの痛みを認めるも、ここへ至っては快楽を彩りこそすれど遮るものではなかった。
 腰を浮かせ、肉棒を天へと突き上げながら、彼は全身をガクガクと痙攣させる。身体が酷い熱を帯び、汗が噴き出る。感覚は鈍っていくが、亀頭と包皮に生じる甘い痺れだけは明瞭だ。
 彼の情けなく甲高い声が、絶頂が近付いてることを告げる。

「え? 本当にこんなので、出ちゃうんだ。どうしようもないマゾちんちんだね」

 何でもないことを口にするような調子で芽衣がそう言った。
 マゾ。その単語が樫田の思考を染めていく。
 みっともなく情けない姿で、射精してしまう。そのことに対して、少なからず抵抗を覚えてしまう。そうだ。皮を引っ張られて絶頂してしまうなど、男として酷く恥ずかしいことではないか。ましてや、包皮を引っ張り上げている美しい少女は、無防備な姿を晒しているだけでなく、秘部に熱を帯びさせている。彼女と交わった末に果てる悦びを得ることこそが、ペニス本来の役割のはずだ。
 それがどうしたことか、引き千切らんとばかりに包皮を引っ張られ、捻られ、マゾ、と罵倒されながら快楽の果てへと至らんとしているとは――しかし、その快感がとんでもなく蠱惑的なのも事実だ。
 相反する思考と感情が、興奮を加速させる。
 歪に伸ばされた包皮の中で、亀頭がぐっと膨らみ、肉棒の根元では睾丸がせり上がる。確実に射精の瞬間は近付いてきている。下半身がジンジンと疼く。その心地良さは、自慰では決して得られぬものだ。
 気付けば、樫田は無意識の内に腰を上下に振り始めていた。
 その様子に、芽衣は声を上げて笑った。

「ふ、んふっ。なにそれ、自分のちんぽの皮とセックスでもしてるの?」

 嘲りを多分に含んだ調子でそんな言葉を投げ掛けられると、被虐の悦びに身を委ねるか否かの葛藤などは、一瞬の内に消えてしまった。
 甘えるような声で鳴くように射精の許可を求める。芽衣が「出したいなら勝手にすれば? どうせ汚れるのは見っとも無い包茎ちんちんの皮だけだから好きにしていいよ」と、にべもないが、嗜虐の悦びが滲んだ声音で答える。
 殆ど絶叫のような嬌声を上げ、樫田は激しく腰を揺らし始めた。
 それから間も無く、彼は絶頂を迎えた。
 一カ月分の情欲を濃縮したような、熱く滾った白濁液が尿道を駆け上っていく。そこに生じた途方も無い快感に樫田は身悶える。尿道から勢い良く精液が吐き出される。その解放感に、彼は一瞬、五感の全てと意識が消滅したのを認めた。



 その後、芽衣が如何にして身体の火照りを鎮めたのかは、ここには記さずにおく。
 
 
おわり

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34.空き教室

 それから放課後まで、樫田と知奈の間に会話はなかった。
 元より二人の関係に於ける主導権は知奈が握っている。その彼女があからさまに不機嫌な態度を取り、黙っていたのだから然るべき結果だ。
 放課後を迎えても尚、そうした状態が続いていた。
 人の姿が減りつつある教室で、知奈は黙ったまま机に掛けている。
 窓から差し込む光りは赤味を帯びつつある。
 声を掛ける度胸のない樫田は、勝手に寮へと戻る訳にもいかず、ただ呆然と彼女が動くのを待つしかなかった。
 やがて教室から人がいなくなり、二人切りになった。

「……着いてきなさい」

 知奈は、それだけを静かに言って立ち上がった。
 そのしゃんとした立ち姿に見蕩れる樫田だが、彼女が歩き出すと慌てて後を追った。
 知奈が向かったのは、普段は使われることなく閉鎖されている空き教室だった。施錠されているはずのその部屋の扉に彼女が手を掛ける。すんなりと開いた。
 その中へ向けて顎をしゃくり、彼女は言う。

「入りなさい」

 いつになく冷たい印象を受ける声音に、不安を覚えつつも、樫田は「はい」と答えて指示に従った。
 教室には机やロッカーは一つもなく、真ん中に座り心地の良さそうな黒い安楽椅子がぽつんと置かれている。
 その不思議な状態の教室に連れてきた知奈の真意とは一体、と、樫田は彼女を見やった。
 知奈はやや不機嫌そうな顔をして、黙ったままで動こうとしない。
 どうして良いのか分からずに樫田が立ち尽くしていると、知奈は無愛想な表情を浮かべていてもなお美しいと認めざるを得ない顔を忌々しげに歪めて口を開いた。

「何をぐずぐずしているの?」

 少女の言葉に急かされ、樫田は安楽椅子の近くまで歩を運んだ。
 間近で椅子を見て、彼は驚いた。
 それは単なる安楽椅子などではなかった。
 肘掛や足元に拘束具と思しき帯が取り付けられていた。
 知奈がこれから何をするつもりでいるのかを考えて、樫田はしばし呆然として立ち尽くしていた。

「そこへ座りなさい」

 気付けば背後に立っていた知奈の声に、樫田は肩を跳ね上がらせた。

「ま……松丸さん、これは一体……」

「……やっぱりね」

 樫田は知奈が何に対して納得しているのか分からずに、首を傾げた。
 そんな彼を冷たい目付きで睨みながら、知奈は言う。

「貴方……。ここのところ、私に問題があるのを良い事に、何か勘違いしていないかしら?」

「か、勘違い……?」

「ええ。私と対等な関係になったとでも思っているんじゃない? そうでなければ……黙って命令に従うはずよね?」

 樫田は何も答えられずに、黙っているしかなかった。
 確かに、別人格が現れるという非常事態に際して、以前ほど主従関係を意識することがなくなってきていた。

「もう一度命じるわ。そこへ座りなさい」

「は、はい」と答えて、樫田は慌しく椅子に腰を下ろした。
 それから、知奈の瞳を見上げて次にすべきことを悟り、拘束具に手足を通した。
 知奈が帯をきつく締め、樫田の四肢は固定された。
 彼女が単なる暴力を振るうとは考え難いが、身動きが取れない状況は、樫田に身の危険を感じさせた。
 彼が不安げな表情を浮かべると、知奈は冷然とした笑みを浮かべた。

「……これからもう一度教え込んであげるわ。私と貴方の適切な関係とは、どうあるべきかをね」

 樫田の背筋がゾクリと震えた。
 肉体の反応はそれだけではなく、下腹部に血液が流れ込んでいくのを彼は認めていた。
 知奈が上体を傾け、顔を寄せて言った。

「そこで少し待ってなさい」

 樫田はこくりと頷いた。
 ほんの僅かに知奈の口角が持ち上がったのを見て、樫田の胸中では期待と不安の入り混じった複雑な感情が膨らんでいった。
 彼女の去り際に大きく揺れた艶やかな髪から甘い香りがふわりと漂い、樫田の肉棒は一層硬くなる。彼は身動きの取れぬまま、下腹部にズキズキとした心地良い疼きが生じているのを認めるのだった。


つづく

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恋人は巨根のふたなり#後編2

 下腹部に広がっていた甘い痺れを伴う律動が全身に広がっていく。
 体温が急激に上がっているようにも、下がっているようにも感じられる。
 身体の末端から徐々に感覚が鈍くなっていく。もちろん、股間だけは敏感なままだ。史織が肛門へ捻じ込んでいる舌の動きを鮮明に感じ取ることが出来た。
 彼女の柔らかくも弾力のある、軟体動物のような舌によって犯される内に、真也の肛門は単なる排泄器官ではなく、性感帯として覚醒していた。
 そこを執拗に責め立てられ続け、彼はいよいよ果ててしまう。
 全身が大きく、壊れてしまったかのように脈を打つ。
 彼の肉体に起こる変化を受けて、史織にも彼が絶頂を迎えようとしているのが分かった。
 声こそ出せぬ状況であったが、真也のアヌスが肉棒を挿入するに相応しい女穴に近付いていることを悦んでいるのは明らかだった。彼女は、倒錯的な官能の熱に浮かされ潤んだ瞳を細めて、好色めいていながらも、可憐さの残る淫靡な表情を浮かべていた。
 狂乱とも呼べるほどに興奮している史織の腰が、激しく上下に揺り動かされる。当然、股間から伸びる剛直が真也の口腔を強く穿つ。
 真也は亀頭が喉に触れる感覚で嘔吐いた。そこには苦痛が確かに認められるも、快感もしっかりと存在していた。
 前後から迫り来る強大な快楽によって押し潰されるようにして、真也は絶頂へと至った。
 
 頭が真っ白になり、全身がガクガクと震えて止まない。しかし、彼を散々に弄んでいた快感は急に鳴りを潜めていた。快楽はオーガズムへと収束する直前で爆発的に膨れ上がった後、別の姿へと変わっていった。
 快楽とは呼べないそれは、何かしらの名がある感覚ではなく、衝撃としかえ名状し得ないものであり、まさしく真也は絶頂へと至っているのだった。
 頭が真っ白になっている中で、とにかく“イかされてしまった”という事実だけを彼は認識していた。そこには快・不快も存在していないようだった。
 絶頂状態が延々と続く訳はなく、ややして快楽が戻ってくる。
 
 真也が果てへと至り、戻って来るまでの間も、史織は彼の肉体を責め続けていた。
 もちろん、彼が絶頂したことに気付いない訳ではない。分かった上での行為だ。
 好奇心と嗜虐心が史織を衝き動かしていた。
 対する真也にとっては、堪ったものではなかった。絶頂を経た肉体は酷く敏感になっている上、息が切れて苦しく仕方なかった。なんとか呼吸を行おうとするも、口と肉棒との僅かな隙間から、唾液と我慢汁の混じったものを吐き出すばかりになってしまっていた。
 痛ましいまでに性感に翻弄される彼の姿は、史織にとって扇情的に感じられてならなかった。
 彼女は勢い良く、彼の尻から顔を離した。
 汗と唾液の雫が、ピッと小気味良く散った。
 濡れそぼった唇から火照った吐息を一つ大きく上げた後、史織は言った。

「真也くんが可愛すぎて……私……あっ……イッちゃう……! 精液出ちゃう……!」

 先の彼と同じく、全身を小刻みに痙攣させる。
 腰から熱い物が込み上げ、陰嚢のすぐ下に位置する女陰がきゅうっと収縮するのを認めて、史織は嬌声を上げた。
 彼女の甲高い淫らな喘ぎ声が部屋に響き渡る。
 まるで耳まで犯されていくようだ――真也がそんなことを頭の片隅で考えたのと前後して、彼の口腔を塞いでいる亀頭が大きく膨らんだ。
 史織が射精へと至るのが近いことを悟り、真也は余裕が無いながらに身構えた。彼女の男性器は大きいばかりではないと、心身に刻まれていたからだ。
 
 凄まじい量の精液が、勢い良く喉に叩き付けられるであろうことを覚悟する。そこに一般的な快感は見出し難いが、口腔を生殖器代わりに犯された挙句に精を放たれることを思うと、倒錯的な悦びが湧き上がってくるのだった。
 ところが、射精が起こるよりも先に、史織が腰をベッドに沈みこませるようにして大きく引いた。
 ぬるり、と真也の口から巨根が抜き取られた。
 真也が何故? と疑問を抱いた直後、彼の鼻先で唾液と我慢汁でぬらぬらと濡れ光る肉棒が脈を打った。
 ペニスの脈動を認めてすぐに、真也は目を強く瞑った。
 史織が今日一番に淫らで激しい嬌声を上げる中で、快楽の証は放たれた。
 熱を持った精液が勢い良く真也の顔面を打った。
 彼女の濃厚な種子汁は、糊のようにべとついていた。ねっとりと頬を滴るそれは、酷い青臭さを放っていた。
 ふたなり少女の射精は一度では終わらない。二度、三度、四度……と続き、その度に一般的な男性器から一度に放たれる量の二倍近くある精液が、真也の顔に打ち付けられた。
 徐々に放たれる白濁液の量が少なくなっていった。依然としてペニスはびくびくと脈打ちながら精液の放出を続けているが、彼の顔まで届かなくなっていた。
 顔中を精液まみれにされた真也は目を瞑ったままで、声を上げた。

「うう、う……。史織……?」
 
「今、綺麗にしてあげるから、少し待っていて」

 言葉の合間に熱っぽい息を吐きながら、史織はそう答えた。
 言われた通りにじっとしていると、身体に触られる感覚があった。
 その手は、どうやら真也の身体を仰向けにさせたいらしい。彼女が意図した通りの体勢を取る。
 柔らかな物がむにゅっ、と、胸板に押し付けられた。
 吐息の音が間近に聞こえた。
 閉じた視界の暗闇に、淫蕩な顔付きで湯気の立つような吐息を漏らす史織を思い描く。ペニスがビクンッと脈を打った。
 その感覚に、真也はしばし忘れていた己の性別を思い出した。それから、先の絶頂に於いて、射精がなかったことにも気付く。
 その事実に驚き、自身の身に何が起こったのかを思考するが、すぐに史織の声によって遮られた。

「ふふっ、ザーメンまみれの真也くんも可愛いね……。綺麗にしちゃうのもったいないかも……」

 真也の羞恥を煽るための台詞ではなく、本音が漏れ出たといった風に聞こえる声音だった。
 彼女の淫らな感性から放たれた言葉は、またも真也の性の自己認知を揺るがした。
 精液で汚れた姿を可愛いと称される。その事に不快感を抱くどころか、悦びを覚えてしまっていた。
 頭がくらりと揺れるような倒錯感の中、頬を指先で撫でられた感覚を認める。それから、顔を寄せられたのを感じ取った。

「じっとしていてね」

 そう告げた後の、史織の行動は真也には想像も出来ないものだった。
 顔面に舌を這わされた。
 思わず「えっ」と声を上げたが、史織が動きを止める気配はない。
 自身のペニスから放出された白濁液を舐め取るように、彼女は舌を這わせ続ける。
 その感覚がくすぐったく、真也は小さく身を震わせる。
 次第に、顔を舐められる感覚が心地良くなってくる。下腹部でペニスがむくむくと膨らんでいった。
 粗方の精液を舐め取り終えた史織は、真也の男根を見やって微笑した。
 手を伸ばして、それを優しく握って言う。

「せっかくだから……こっちも気持ち良くしてあげるね」

「し、史織……?」

「ふふ。もう目を開けても大丈夫だよ」

 彼女の言葉を受けて、瞼を上げる。
 ぼやけた視界に映る史織の顔は、すぐ間近にあった。
 大した時間は経っていないが、随分と久しぶりに見たような錯覚に、真也は陥っていた。
 端整な彼女の顔は赤らみ汗ばんでいた。彼はしばし、女性でありながら男性器を有する恋人に見蕩れていた。
 不意に彼女が瞳を閉じた。そのまま唇を奪われる。
 たっぷりと吐き出した精液を舐め取った後の口腔には、青臭さが残っていた。少し気になったが、キスを止める程ではなかった。
 互いに突き伸ばした舌を絡ませ合い、貪るように口付けを続ける。
 ややして、二人の唇が離れ、真也の口から嬌声が上がった。
 史織の手が彼のペニスをゆっくりと扱いていた。

「真也くんのおちんちん……とっても硬くなってるね。気持ち良い?」

「あうっ、う、ううう……」

 呻くばかりの真也に対して、史織は顔をしかめた。とは言っても、本気で機嫌を損ねた様子はなく、すぐに悪戯っぽい笑みを浮かべた。
 手の動きを止める。男根を握ったまま、人差し指の腹を亀頭の先に宛がった。そのまま尿道口を擦るようにして刺激する。

「うくっ……!」

 真也の口からこれまでとは異なる種の喘ぎ声が上がった。
 尿道口への刺激も、快感には違いなかったが、あまりに鋭く、耐え難かった。腰をガクガクと震わせながら、真也は情けなく震えた声で言う。

「しっ、史織っ、こ、これ……駄目……」

「駄目……? どうして?」

「うっ、うう、す……少しキツイ……。何だか、お、おしっこがしたくなるような……感じで……」

 真也がそう言うと、史織はくすっと笑みを漏らした。
 ペニスを握り直して緩やかな手付きで扱きながら問う。

「それじゃあ、こっちの方が気持ち良いの?」

 彼女の柔らかな手の平で、亀頭のくびれを優しく撫で擦られるのは、堪らなく気持ち良かった。甘い痺れがジンジンと生じ、全身に官能的な悦びが広がっていくようだった。
 真也は快楽を認めて、史織に向かって頷いてみせた。
 彼の反応に対して、史織は唇を尖らせた。

「気持ち良いなら、ちゃんと言葉でそう言って。じゃないと、止めちゃうよ?」

「うっ、ううう……。き……気持ち良い……」

「どこをどうされるのが?」

「ち、ちんちんを……史織に手で扱かれるのが……。あっ、あぁ……気持ち良い……!」

 情けない台詞を口にした真也の目をじっと見つめて、史織は色好きめいた舌なめずりをした。
 それから、笑みを浮かべて言った。

「良かった、真也くんもちゃんと男の子なんだね。おちんちん弄られて、気持ち良さそうな顔になってるよ?」

 真也が顔を赤く染めて、目を背ける中で、史織が「でも」と口にする。

「男の子なのに……私に責められて女の子みたいに喘いじゃう真也くんが見たいの……。ふふっ」

 愉しげな声音で告げられた倒錯的な願望に、真也はくらりとさせられるような興奮を認めた。
 史織は彼に一つキスをしてから、その唇を今度は胸元に向かわせた。
 
「お尻だけじゃなくて、おっぱいの気持ち良さも……教えてあげるね」

 そう言うなり、彼女は大きく口を開いて、舌を伸ばした。
 舌先が乳首に触れる。小さな突起の上を、湿った感触がぬるりと通り抜けていく。
 真也はくすぐったさを感じて身を捩り、小さく喘ぎ声を漏らした。
 
「真也くんの喘ぎ声って、本当に可愛いね……」

 そんなことを言いながら、史織は更に乳首を何度も舐め上げた。
 同時にペニスをゆっくりと扱いてやっている。
 乳首への刺激のみならば、快感であるとは言い難いものであったが、生殖器といっぺんに責められている内に、真也はその刺激を気持ち良いと感じ始めていた。
 乳首をぷっくりと勃起させながら、恍惚として吐息を漏らす。
 彼の反応に劣情を煽られたのか、史織が男根を扱く手の動きを早める。
 鈴口からたらたらと滴る我慢汁が、ぬちゃぬちゃと音を立て始めた。
 史織が舌を引っ込め、上目遣いに真也を見やって訊ねる。

「気持ち良い?」

 真也はハアハアと息を切らしながら、震える声で「もう出ちゃいそう」と答えた。

「じゃあ、もっと激しくしてあげるから、いっぱい出してねっ」

 可愛らしい口調でそう告げると、史織は彼の乳首に口を付け、強く吸い上げた。ちゅうううっ、と音が鳴るほどであり、ちっぽけな突起など呆気なく取れてしまうのではないかと思えてならなかった。
 その強烈な刺激に、真也の腰がビクンッと跳ね上がった。

「あっ、ああああぁっ、しっ、史織っ、あ、ああんっ、ああ!」

 悲鳴のような喘ぎ声を上げる彼の身体がガクガクと震える。
 腰も跳ね上がり続けている。
 史織は乳飲み子のようにちゅうちゅうと緩急を付けながら、彼の胸に吸い付いている。彼女の手の中で、ペニスが最大限にまで膨らんでいった。

「だっ、駄目っ、で、出ちゃう、出ちゃうぅ……!」

 真也がそう叫び、腰を思いっ切り突き上げた。
 快感が彼の許容量を越える。一瞬の硬直を経て、精を噴き上げる。
 ぶびゅっ、びゅるるるっ!
 乳首、ペニス、どちらへの刺激が引き金となっての絶頂だったかは、真也本人にも分からなかった。とにかく何も考えていられなくなるような気持ち良さの奔流に飲み込まれた挙句に吹き飛ばされたような感覚だった。
 射精の勢いも、どれだけの快感があったのかを物語っていた。
 白濁液は頬まで到達していた。
 頬に痛みを感じさせるぐらいの勢いがあった。
 真也にとってはこれまで味わったことのない激しい射精だった。
 もっとも、史織のそれと比べてしまえば随分とあっさりしていると言わざるを得ないが。
 絶頂の余韻に浸り、とろんとした顔付きを浮かべている真也に対し、史織の瞳には肉欲がありありと滲んでいた。

「真也くんの可愛い射精を見せられたら……私ももう一回出したくなっちゃった」

 そう呟いて、彼女は真也の身体に馬乗りになった。
 陰嚢の下に位置する花弁は、すっかり蕩けて開いていた。そこから滴る淫らな蜜が、真也の腹部を濡らした。
 身体に触れた女性器の感触に、真也は生唾を呑んで、彼女の姿を見上げた。
 柔らかそうな胸の膨らみ、その先端では、彼のそれと同じく、ぷくりと勃起した乳首が自己主張しているようだった。
 半ば無意識に、真也は乳房目掛けて腕を伸ばしたが、史織に手首を捕まれてしまう。
 
「良いの。真也くんはイッたばかりでしょ? 何もしなくて良いから……私がおちんちんシコシコするところ、見てて」

 淫らな笑みを浮かべた史織にそう言われると、黙って従うほかになかった。
 彼女が、その華奢な手では握り切れないほどに太いペニスを扱き始める。
「はあっ」と火照った息を吐いたのと同時に、鈴口からとろりと透明な粘液が滴った。

「あっ……あぁ……。気持ち良い……。真也くんに見られながらおちんちん擦るの……興奮しちゃう……」

 史織がうっとりとした声音で、卑しい心情を吐露する。
 真也は彼女の顔と手元を食い入るような目付きで交互に見やり、痴態の鑑賞に耽っている。
 ペニスを扱く手付きが段々と早くなる。

「はあっ、あっ、ああ、あ、気持ち良い……!」

 快楽を声に出しながら、彼女は腰を前後に揺らし始めた。
 真也の腹部をぬるりとした感触が往復する。
 一つの肉体に同時に存在するはずのない、男女双方の生殖器が揃って発情の様相を呈している。その事実に堪らなく興奮する真也だが、彼には手淫に耽る史織の姿を見ていることしか出来ない。

「しっ、史織……!」

 堪らずに声を上げるも、彼女は悪戯な笑みを浮かべるばかりだ。
 白く小さな手によって扱き上げられる男根からは絶えず我慢汁が溢れ出し、ニチャニチャと淫靡な音を響かせている。
 絶頂へ至る程では無いものの、一際大きな快楽の波が来たのだろう、史織は甲高い声を上げて、勢い良く背を反らせた。
 柔らかな胸がぷるんっ、と揺れ、そこに滲んでいた汗が散った。
 汗の雫を受けて、真也は史織の顔を見上げた。
 うっとりとした目元。
 半開きになった血色の良い唇。その端から滴り落ちる唾液。
 彼女が快楽を貪ることに没入しているのが、はっきりと見て取れた。
 その乱れぶりに興奮すると共に、真也の胸にはある欲求が湧いた。
 彼女が味わう快楽の一端となりたい――。
 それは、男性的でもなければ女性的な性欲でもない、もっと別の、極限まで卑下した結果の発想とでもいうべき、自虐的、あるいは被虐的な肉欲だった。すなわち、彼女に性欲処理の道具として扱われたい、といった類の欲望だ。
 胸に湧いた欲望を自覚すると、それはますます強くなっていったが、真也はそれを言葉にして伝えることが出来ない。思考能力が鈍っていることも理由だが、そもそも具体的にどんな行為によって欲が満たされるのか分からなかった。
 それゆえに真也は、ハアハアと荒い息を吐く合間に、史織の名を口にすることしか出来なかった。
 物欲しそうな表情を浮かべる彼の視線の先では、史織が、本来女体にあるはずのないペニスを心底気持ち良さそうに扱き続けている。

「ふふっ。さっきからどうしたの……?」

 そう問い掛ける史織の声音は、如何なる返答があるかを知った上で問うているような、意地悪にも悪戯っぽくも聞こえるものだった。
 真也は何度か彼女の名を口にした後、やっとの思いで言葉を絞り出した。

「史織っ、史織……。お、俺のこと……道具みたいに使って欲しい……」

 そうは言ったものの、彼の中に具体的な行為が浮かんでいる訳ではなかった。立場が逆なら、困ってしまうかも知れない、と真也は思った。
 史織の表情を確かめる。彼女の顔に困惑の色は浮かんでいなかった。それどころか、愉しげに微笑んでさえいた。
 
「道具って……何をする為の?」

 すでに答えを分かっているような口ぶりだ。
 真也の胸がドキリと大きく鳴った。
 彼には想像も出来ないような淫らな行為が史織の頭には浮かんでいるのであろうことを考えると、引け目を感じると同時に酷く興奮させられた。
 生殖器の大きさだけではなく、性欲そのもの、加えて性的好奇心に於いても劣っている。逆を言えば、それだけ史織が淫らであるということだ。
 真也は期待にドキドキとしながら言う。

「史織が……気持ち良くなるための道具に……」

 彼がそこまで言うと、史織はくすっと笑って、「いいよ、使ってあげる」と言った。
 それから彼女は腰を浮かせ、ペニスを真也の鼻先へと向けた。
 上から押さえ付けるようにして、ペニスの裏側を彼の顔面へとあてがった。
 史織の肉棒は熱を帯び、少し蒸れたような匂いを放っていた。

「真也くんの顔におちんちんをスリスリしたら……ふふっ、気持ち良いだろうな、って思ってたの……」

 淫らに言いながら、彼女は腰を前後に揺らし始めた。
 大量の我慢汁で濡れている男根は、滑らかな動きで真也の顔面を這った。
 彼は慌てて目を閉じつつ、一体いつから史織はそんな目で自分を見ていたのだろうか、と気になった。
 もちろん、声に出して問うことはなかった。
 史織が気持ち良さそうな声を上げ始めると、そんな余裕はなくなった。
 今、自分は彼女が快楽を得る為の道具になっている。その実感に、頭が真っ白になっていた。

「ふふっ……あっ……ああぁっ……。やっぱり気持ち良い……!」

 史織の口から上がる嬌声と言葉に、真也はいっそう興奮させられる。
 腰の奥がカッと熱くなるのを認めつつも、彼はじっと横たわり、されるがままになっているしかなかった。
 ぬるぬるとした先走り汁が顔面を濡らしていく。
 荒い呼吸を繰り返す口元にも、当然それは及んでおり、舌には塩気が感じられた。

「あっ、あんっ……。大事な彼氏の顔におちんちん擦り付けて気持ち良くなっちゃうなんて……駄目だよね……?」

 その問い掛けに対して「その通りだ」とは答えられるはずがなかった。
 世の男が駄目だと言ったとしても、真也は今の状況に激しく興奮しているのだ。
 彼は自身の心情に従い、言った。

「そっ、そんなことない……」

 すると、史織はピタと動きを止めた。
 彼女が手を離すと、巨大なペニスはバネでも仕掛けられているかのように勢い良く上を向いた。

「ふうん……」

「史織……?」

「真也くんって……おちんちんが小さいだけじゃなくて、男らしくもないんだね」

 真也が「うっ」と呻いて言葉を詰まらせる。
 道具として扱って欲しいだなどと、受身の最もたるだ。
 男らしくないと言われても仕方がない。
 それを真也自身が理解している為に何も言い返せない。だからといって開き直るほどに堕ちているでもないのだ。

「ふふっ。悔しい?」

 真也は慎重に薄目を開き、眼前の大きな肉棒を見上げ、それから小さく頷いた。
 確かに彼女にひれ伏すことには興奮するが、改めて問われ、答えを考えると、雄として愛したいという感情が消えた訳ではなかった。
 真也は黙ったままで頷いた。
 声高に主張するには、余りに醜態を晒し過ぎていた。

「良かった。ちゃんと男の子の自覚がある真也くんを道具にする方が興奮するもん」

 淫らな声音でそう言った後、史織はペニスを扱き始めた。
 目の前で揺れるペニスに、真也は生唾を飲む。心で何を思おうが、身体はすっかり、史織の白く滑らかな股から生えている男性器の虜となっていた。

「うっとりした目で私のおちんちん見てるけど……本当に悔しいの?」

「う、うう……それは……」

「私が男子だったら絶対嫌だなあ。おちんちん見てうっとりした顔してる、なんて彼女に指摘されるの」

「あああ……うう……」

 真也は言葉に詰まり、呻き声を上げる。
 史織に二つの性器がある為か、真也の胸には相反する欲望が渦巻いている。どちらかを選ぶことなど出来ない。彼氏らしくありたいと願う反面で、ペニスに屈して自分の性別など忘れてしまいとも願っているのだ。

「ふふふ。その困ったような切ないような顔……可愛い……」

 そう言って、史織は彼を見下ろしながら、ペニスを扱く手を早めていく。
 真也は意図せず彼女に可愛いと言われた表情を浮かべたまま、苦悩と興奮の織り成す官能に浸るばかりだ。

「はあっ、あっ……。あんっ……イクッ……! 真也くんのことオナペットにして、射精しちゃう……。ああぁっ、精液出るっ……!」

 はち切れんばかりに膨らみ、激しく脈打つ巨大なペニスに相応しくない可憐な声音で淫らな言葉を紡ぎながら、彼女は果てた。
 ぶびゅっ、びゅるる! びゅる! びゅるるっ!
 噴き上がった大量の精液が、二人の身体に降り注ぐ。
 辺りに漂う白濁液の青臭さに、真也は全身で身震いし、太ももをぎゅっと強く閉じた。軽く絶頂してしまったかのような心地良い疼きが、彼の肉体を覆っていた。



 全ての後始末を終えた後に二人が見せた光景は、時間が遡ったかのようなものだった。
 互いに緊張した面持ちでベッドに腰掛けている。
 史織が俯いたり、真也の横顔を見やったりを散々繰り返してから、「あの」と、掠れた声を上げた。

「……ごめんね」

「え?」

「ちょ、ちょっと……色々……。い、嫌だった、よね?」

「そ……そんなことは……」

 そう答えてから、真也は赤面した。冷静になって振り返ると、そうなるのも無理からぬ行為と言葉のやり取りがあった。
 対する史織も自身の振る舞いを恥じてか、顔を赤くしている。
 長い沈黙を経てから、史織は彼に問い掛けた。

「これからも、私、真也くんの彼女で居ても良いの?」

「ああ。それは、もちろん」

 真也が答えると、史織は恥ずかしそうにしながらも、嬉しそうに笑みを零した。
 そんな仕草を愛らしく思い、真也も顔を綻ばせた。
 しかし、ふと目を下げると、彼女の股間にこんもりとした膨らみが出来ていることに気付き、彼は笑みをぎこちなくさせるのだった。



おわり

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