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ぷるんぷるるん

女の子に気持ち良くいじめられるM男向け官能小説公開中。

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8.恥辱と悦楽の擬似性交


 摘み上げていた包皮を離して、悠が急かす。

「早くその子とエッチ始めたら? どうせ、おちんちん汁出さなきゃ、落ち着かないんでしょう?」

 樫田のペニスが、その通りだと言わんばかりに脈を打った。
 肉棒の疼きに屈して、彼は「はい」と答えてしまう。
 そもそも悠には逆らえないのだ。言いなりになるしかない。その訳としては、彼女の怒りを買ってしまう事への恐れもあったが、何より彼女に負かされ虐げられる事の気持ち良さを知ってしまっていた為だ。
 脅され、屈辱を浴びせられ、言いなりなることが快感であるとその身に刻み込まれてしまっている。樫田はペニスを目一杯いきり立たせながら、身を屈めた。
 オナホールを拾い上げようと腕を伸ばすが、樫田は途中で動きを止めた。

「何をするつもりですか?」

 たしなめる様にそう告げる悠の足によって、オナホールは踏み潰されていた。

「な、何って悠ちゃんがそれを使えって……」

「はあ? 私、オナニーしろなんて言ってませんよ? この子とエッチさせてあげる、そう言ったはずですよ?」

「え? う、うん……だから……」

「だから?」

「……つ、使おうと」

「使う?」

「お、おちんちんを中に入れて……」

 樫田がそう告げると、悠は盛大に溜息を吐いてみせた。
 更に続けて呆れた様に首を横に振る。

「先輩、いくら童貞だからってそれは酷いんじゃないですか? 前戯も無しに挿入だなんて……やっぱり、先輩にはまだまだ生身の女の子の相手は無理ですね。……ここまで言われてもまだ自分がなにをしたら良いのか分からないのでしょう?」

 樫田は仕方なく首を縦に振った。
 童貞であることを嘲られた事への悔しさはあったが「これではどうか」と性に関する何らかの技術を見せるような真似も出来ない。そもそも、悠を相手にしているのならまだしも、あてがわれた相手は物言わぬ性具だ。どうすれば良いのかなど分かるはずもない。
 当惑する樫田を見下すように笑いながら、悠は少し歩いてベッドに腰掛けた。
 蹴り転がされていたオナホールは、またも踏み潰される。
 悠は所在無く立ち尽くす樫田に向けて口を開く。

「どうしたら良いかアドバイスしてあげますね。……うーん……そうですねー、クンニから始めてはどうでしょうか?」

「……え?」

「クンニですよ。まさか知らないんですか? 女の子のおまんこをペロペロしてあげるんです。それぐらい、先輩だって出来ますよね?」

 ただのオナホールに向かってクンニリングスを行えと言っているのか。樫田は、しばし言葉を失い目を瞬かせるばかりだった。

「ほら、どうしたんですか? 早く」

 そう急かされ、樫田は我に返って動き出すが、すぐに手を止めた。

「悠ちゃん……その、言われた通りにするから、足をどけて欲しいんだけど……」

「嫌です。私が踏み付けている状態のこの子と、エッチしてください」

 樫田はゾクリと背筋が震える様な思いをさせられた。
 声音も表情も、悠が見せるそれらは、どこまでも淫靡で嗜虐的だった。
 玩具に向かって奉仕を行うだけでも屈辱だ。それに加えて足元に顔を寄せなくてはならない。
 樫田は頭がクラクラとする様な恥辱に苛まれてしまうが、それは彼にとって心地の良い状態だ。眼前の愛らしく美しい少女から与えられているからこそ、恥辱は甘美なものとなる。一つ彼女の名を呼んで、床に這った。
 呼吸を荒げながら、彼女の細い脚で踏み潰されて歪んでいるオナホールへと顔を寄せ、舌を伸ばす。
 舌先に認められるのは、どこまでも無機質な触感だ。

「丁寧に舐めてあげてくださいね? ローションなんて使わせませんからね。先輩の小さいおちんちんを挿入出来るぐらいには濡らさないと駄目ですよ」

 そう言われて、樫田はなるべく唾液をまぶす様に心掛けた。
 表面ばかりではなく、穴の中へも舌を挿し込み、涎を塗りたくる。
 ――惨めだ。樫田は自身が置かれている現在の状況をそう感じていた。ほんの少し前までは、セックスが出来るかも知れないと淡い期待を抱いていたのが、今は年下の少女の足元に這いつくばって、性玩具に向けて舌を伸ばしているのだから、そう感じるのも当然だった。
 それでも樫田は、怒りに声を上げるどころか、ペニスをビクビクと嬉しげに震わせている。屈辱的なこの行為に対して、悦びと惨めさ、相反する感情を同時に抱いていた。

「そろそろ良いんじゃないですか」

 頭上から悠の声が聞こえて、樫田は舌を動かすのを止めた。

「最初は面白かったんですけど、もう先輩の童貞変態ギャグも見飽きてきました」

 自分でそうしろと命じておきながら、実行すればギャグ呼ばわり。あまりに奔放すぎる彼女の言葉に、樫田は睨み付けるような目付きをして顔を上げた。
 瞬間、彼の顔に張り付いた怒りは溶けていく。
 樫田を見下ろす悠の瞳には、嗜虐の愉悦が滲み、熱に浮かされた様に潤んでいる。淫らさと可愛らしさとが爆発でもしたかの様にあふれ出していた。

「ゆ……悠……ちゃ……」

 まともに声を上げる事も出来ずに、樫田は口をぱくぱくさせた。
 うっとりとした表情の悠が告げる。

「もっと私を愉しませてください。セックスしたいと思っている癖に、女の子に逆らえなくて、惨めにオナホールに向かって腰振りするところを見せて?」

 そう言い終えると、悠はオナホールを拾い上げてた。
 脚を組んで、その間に玩具を挟み込んだ。
 ふくらはぎの間に作られた擬似女性器は、樫田の唾液に濡れ光っている。

「……ほら、おいで?」

 優しく誘う様な声音と共に、悠が両腕を広げて見せた。
 樫田は、自身の瞳に映る彼女が淫蕩で残酷な悪魔にも、美しく慈愛に満ちた女神にも見えた。どちらであるかは分からないが、一つだけ断言出来た。その誘惑に抗うことは、無理であると言う事だ。
 吸い寄せられる様にして悠へと向かい、彼女の脚にしがみ付きながら、腰をオナホールへと突き出す。樫田のそれは、散々言われているように小さい方であるがゆえ、潤滑油がやや不十分であってもすんなりと玩具に挿入出来た。
 悠は目の前にある樫田の頭を撫でてやりながら、淫靡な声音で訊ねる。

「先輩? 分かってますか? これはセックスですよ?」

 緩やかに腰を前後させながら、樫田は全て理解していた。
 彼女が何を求めているのか。自分は何を答えるべきか。彼女が答えを受けて如何なる反応を示すのか。そして、その反応に対し自分が何を感じるのか。
 ――それが分かる様に躾けられて来たのだ。
 樫田は酷く興奮した様子で口を開いた。

「はあっ……ああ……。ぜ、全部入ったよ……い、痛くない……?」

 これは無論、悠への言葉ではない。
 ぷっ、と悠が笑みを漏らした。

「ふふ、あははっ、先輩、童貞をこじらせ過ぎですよー! オナホールに話掛けちゃうのなんて、先輩ぐらいですよ?」

 愉しげに笑う彼女を見上げる樫田の胸中は、悔しさと共に快感が湧き上がっていた。彼はこうなると分かっていた。その上で、自らを貶めるような台詞を紡ぎ、嘲られ、気持ち良くなっていた。
 自身の被虐嗜好。彼女の嗜虐性。それぞれを認め、受け入れている。更には両者の嗜好が絶妙に噛み合っている事をも理解している。もはや、彼に止まる理由は無かった。

「うっ、はあ、あっ、ああぁ……おまんこ……気持ち良い……!」

 樫田がそう見っとも無い声音を上げた。
 悠が彼の頭をわしゃわしゃと撫で回しながら言う。

「ふふふっ、童貞で、皮被りちんぽで、虐められたがりの先輩にとっては、このシリコンの玩具だけが『おまんこ』だもんね? 童貞卒業……ぷっ、ふふ……おめでとうございます」

 目頭が熱くなる程の恥辱を受けるも、それは同時にとても甘美な快感でもあった。
 嘲られ、罵られ、気持ち良くなってしまう。
 心はしっかりと痛んでいるはずなのに、一方では痛みを望んでしまい、与えられれば嬉しくなってしまう。倒錯的な官能だった。
 それは深く底なしの沼の様に彼を捕らえて離さない。
 いや、むしろ樫田自身がそうある事を望んでいた。
 オナホールに向けて腰を振り、悠の嘲笑を受けながら、樫田は絶頂が近い事を認めた。彼は甲高い声でそれを告げた後、こう付け足した。

「悠ちゃん、大好き……!」

 ぶびゅっ、びゅくっ!
 ペニスが大きく脈を打ちながら精を吐き出す。
 自身を虐げている少女に向かって好意を明かしながら迎えた絶頂は、どこまでも気持ちの良いものだった。魂が抜けていく――まさに昇天とでも言うべき快感が彼の身を苛んでいた。
 目を白黒させ、蕩けた表情を浮かべる樫田に向けて、悠は小さな声で告げた。

「……私も同じ気持ちです」

 途轍もない快感を伴う射精を経て、その余韻に浸る樫田は、当然の様にそれを聞き逃すのだった。



 ここから先は語るまでも無いだろう。
 無理に語れば、嗜好がかっちりと噛み合った二人の男女が過ごす幸福な日々についての単調な記述のみが続くことになる。そうなるが故に語るまでも無い。

 しかし、あえて一つ語るとすれば、彼が払った代償に関するところだろうか。

 悠と共に過ごす為に留年した樫田について、彼の両親へと貝塚が如何なる理由を語ったのかは定かでないが、樫田は両親からの電話でこっぴどく叱られた。
 電話口からのべつ幕なしに響く怒声を受けて、泣きべそを掻きながら反省と謝罪の言葉を繰り返す樫田。何とか和解に至るも、電話を終える頃には、彼の精神はすっかり擦り切れていた。

 そんな事があった晩、傷心の彼を慰める為に悠が身体を許した――か否かは、やはり別の物語であるがゆえ、これにて幕引きとする。


 おわり


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7.訂正。小は要らず。

 仕方ない、と言った風に緩慢な動きで樫田は服を脱ぐ。
 モタモタとした動きに苛立った悠に下着を強引にずり下げられ、全裸になり、壁に手を付いた。
 尻たぶに手の平を置いた悠が樫田の耳元で言う。
 
「それじゃあ、いきますよ? エッチする為に頑張ってくださいね」

 果たして本当に出来るのだろうか――そう訝しんでいながらも、全く期待していない訳ではない。少なくとも「痛い」や「やめて」とは口にしないつもりだった。
 強く目を瞑る樫田の尻たぶへと平手が放たれる。小気味の良い乾いた音が室内に響いた。
 如何に女子の腕力とは言え、全力を用いればそれなりの威力が出る。
 尻に生じた衝撃と痛みに樫田は堪らずに呻いた。

「うくっ……!」

「後二十九回……私の手も痛くなりそうです」

「そ、そうだよね、なら……少し手加減を……」

「するつもりは無いので、スリッパを使いますね」

 悠はその宣言の通り、スリッパを使って樫田の尻を打った。
 五回ほど連続して叩いた後、悠が手を止める。
 叩かれる度に呻き声を上げていた樫田の呼吸は荒くなっている。ハアハアと肩を上下させる彼に、悠は訊ねた。

「どうですか? 我慢出来そうですか?」

 なんと答えて良いものか、と悩む余裕はなかった。樫田は深く考えずに「今のところは大丈夫」と答えた。

「ええー。……困ります。それじゃあ先輩のこれ」と言いながら、手にしたスリッパでペニスを軽く叩く。樫田のそれはやや上を向いていた。半端に勃起した男根を刺激され、彼は呻き声を漏らすが、それは今までと違って快感が薄っすらと滲んでいた。悠は言葉を続ける。

「私の中に入れられちゃうじゃないですか。小さいから怖くは無いですけどー……。少し本気で出しちゃいますからね」

 言い終えて、再び尻を打つ。
 スリッパの裏を尻たぶに叩きつけ、パシィンッと派手に音を立てる。
 樫田は痛みに耐えつつ、威力が増したことを認めていた。それは、彼女が本気でセックスを回避しようとしている証拠であるとも考えられた。
 まだ疑って掛かっているものの、樫田はこれまで以上に口を硬く閉ざす。
 性行為への期待と、年下の少女に尻を叩かれているという被虐感とが混じり合い、ペニスは完全に勃起していた。
 スパンキングの回数は折り返しへと達していた。

「ふう……。どうですか? 痛いでしょう?」

 樫田は黙ったまま首を横に振った。ここでの答えが『ゲーム』の勝敗に関連するかは分からないが、軽率な言動は控えるに越したことは無い。

「……ふ、ふん。まだ半分も残ってますからね」

 どうやら先の質問は誘導尋問のつもりだったらしい。
 ほっ、と安堵すると同時に、彼女を出し抜いたことに対する優越感が樫田の胸に込み上げる。それに背を押されてか、このゲームに対する彼のやる気は俄然と高まっていた。
 更に十回、尻が叩かれた。
 痛みはあるが、敗北を認める程のものではない。
 樫田は全裸で壁に手を付いた情けない格好をしつつも、垂れた頭の下では不敵な笑みを浮かべていた。――いける。そんな確信が彼の中にはあった。
 残りはたったの五回だ。

「も、もう……先輩らしくないですよ?」

 言いながら、悠は樫田の耳元に顔を寄せた。

「エッチはさせてあげませんけど、痛いって言ってくれたら、いつもみたいに気持ち良くしてあげますよ? 虐められるの好きですよね?」

 媚びるように言いながら、スリッパの先でいきり立った男根を弄ぶ。
 耳に吹き込む吐息のくすぐったさに身を捩るが、樫田はそれ以上の反応は示さなかった。
 悠は彼の耳元に唇を近付けたままで、尻を打った。
 痛みは全く無かった。戦略を変えたらしい――と樫田は警戒を強めた。

「ね? もう痛いことはしないから……。足でも手でも、先輩の好きな方で虐めてあげるから……」

 樫田は何も答えなかった。
 常時であれば動揺せずにはいられない様な、悲しげな声音だが、ゲーム開始前にも騙された上、勝利を確信する今の彼には通じなかった。
 残り四回。悠はこの甘える作戦を続けるつもりらしい。二度、音も鳴らない程に軽く尻を打った。

「ほらね? もう意地悪しませんよ。だから……痛いって言ってください。お願いします」

 今にも泣き出しそうな程に震えた声音だった。
 演技に違いない。己にそう言い聞かせて、樫田は押し黙る。
 悠が尻を叩いた――とも言えない程の強さでスリッパをそこへ触れさせた。

「先輩、お願い……。だって今、貴方に押し倒されたりしたら、バレちゃうから……」

 これまでとは雰囲気の異なる、意味も不明瞭な言葉に、樫田は気を惹かれた。言葉の続きをじっと待つ彼の耳に熱っぽい艶とした溜息が触れる。
 樫田は思わず「ひゃっ」と声を上げたが、構わず悠は続けた。

「はあ……だって、先輩のお尻を叩きながら濡らしちゃってたのがバレたら……いくら先輩だって、絶対エッチしますよね?」

 そう言った後に彼女はポスン、と力なく尻を打った。
 背後から悠が去っていく気配を認め、樫田は振り返った。
 見れば彼女は机の引き出しを開けていた。
 ひょっとして、本当にセックス出来るのでは? そうだとすれば、彼女が取り出そうとしているのは避妊具の類で――と、樫田は鼓動を高鳴らせていたが、悠の手に取られた物は、避妊具であるようには見えなかった。
 男が自慰をする為の道具、オナホールであるように思えた。
 目をぱちくりさせる樫田に向けて悠が言う。

「なーんて、言うとでも思いましたか? 先輩の相手はこの子です。因みに私は濡れてませんよ」

 片手にオナホールを掲げつつ、悠は残る手でスカートを捲ってみせた。下着に染みが広がっているようなことは無い。それを証明したかったらしいが、樫田にとって大事なのはセックスの有無だけだ。

「ゆ、悠ちゃん、いくら何でもそれは……! 痛いのには耐えたんだし、約束を破るのは駄目だよ」

「私とセックスさせてあげるとは、一言も言ってません」

「屁理屈だ!」

 悠の下手に出た演技に触れていた為か、樫田の気は少々大きくなっていた。
 肩を怒らせて悠へと近付く――が、その動きはすぐに止まってしまう。
 股間へ向けて脚を伸ばしながら悠は冷たい声音で告げた。

「あんまり調子に乗ってると、使い物にならなくなるまで金玉蹴り上げますよ?」

 後ずさると同時に股間を手で隠しつつ、樫田は言う。

「そ、そんな風に脅したって……」

「お尻を叩かれて勃起する様な変態の癖に、生身の女の子とエッチしたいなんて贅沢過ぎです。先輩には、これがお似合いですよ」

 悠が放り投げたオナホールが、樫田の足元に転がった。
 
「今までのことを思い出した上で考えてください。本気で私が先輩とエッチするなんて有り得ると思いますか?」

 それを言われると、樫田は首を横に振るしかなかった。
 散々弄ばれた記憶を掘り返せば掘り返す程、有り得ないと思えた。そもそも、スパンキングの最中に悠が見せた演技のせいで思考が鈍っただけで、端から疑っていたのだ。
 彼はもはやセックスなど期待するだけ無駄だと考えていた。この場が完全な密室であるならともかく、学園内の寮だ。加えて、始めから拒むつもりで居たのなら、悠が対策を立てていないはずがない。自棄になった自分が襲い掛かる可能性を考慮しない程に浅はかな子ではないのだ、と。

「最初からこのつもりで……」

 うな垂れつつ漏らす樫田に、あっけらかんとして悠は「そうですよ」と答えた。続けてこう告げる。
 
「先輩だって薄々は分かっていたでしょう?」

 言いながら彼に近付き、股間を覆い隠す両手を払い除ける。
 未だにいきり立っているペニスの先端で余っている包皮を摘んで引っ張りながら笑みを浮かべた。

「男の子って大変ですね。ここで何かを考えると、とんでもなく馬鹿になっちゃうんだから。でも、そんな先輩の方が、私は好きですよ」

 包皮を引っ張られながら、そう微笑み掛けられると、自分でも何を望んでいるのか分からなくなった。樫田は良く分からないまま頷いた。



8.恥辱と悦楽の擬似性交


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6.小悪魔少女


『僕は乳首を虐められながら、おちんちんの皮を引っ張られるとすぐにイッちゃうマゾです』
 そう書かれたホワイトボードを首から引っ提げて、樫田は学園内を歩いて回った。当然、彼は無数の嘲笑や好奇の視線に晒された。
 如何に悠の命令であれ、それは屈辱でしかなかった。そこには興奮も快感もなかったのだ。
 無理もない。樫田のその恥辱行に悠は付き添わなかった。彼はただ一人で羞恥と屈辱に晒されていたのだ。隣に彼女が居たならば、まだマシだったろう。彼女の甘い囁きは、屈辱を被虐的な悦びへと転化させたに違いない。
 しかし現実は無情であり、そうはならなかった。
 その結果、樫田は半べそで寮の部屋へと戻って来た。
 出迎えた悠は、彼が浮かべる情けない表情を見た途端ににんまりと笑った。

「先輩、泣いちゃいそうな顔してる」

 と、嬉しそうに言う。
 悠の小悪魔的な笑顔を見ると、幾ばくか報われた気がした。
 御しやすい男なのだ。
 どこか馬鹿にしつつも、悠がなだめすかしてやると、樫田の心は容易に変化していった。
 先程までベソを掻かんばかりの勢いであった屈辱感は、興奮の材料となりつつあった。
 誰のせいで酷い目にあったのか。もちろん悠のせいである。その悠に頭を撫でられたり、ほんの少し優しい言葉を掛けられるだけで、樫田は容易く御されてしまう。
 年下の少女に甘えさせられている内に、彼のペニスには血流が集まり始めていた。
 そうなれば、もはや飴を与える必要すらない。悠が訊ねる。

「恥ずかしいメッセージ付きでのお散歩……興奮しましたか?」

 樫田は一瞬返答に詰まったが、すぐに頷いた。
 ベッドに腰掛けた彼女の足元で正座させられながら思い返すと、屈辱でしかなかったはずの記憶も倒錯的な悦楽に書き換えられてしまうのだった。
 じゃあ、と悠の小ぶりな艶々とした唇が言葉を紡ぐ。

「その時の事を思い出しながら、オナニーしても良いですよ? 見ててあげるから」

 本来であれば自慰に許可など要らないはずだが、すっかり悠に躾けられてしまっている樫田は、その不要であるはずの許しを有り難がった。
 てきぱきと制服を脱ぎ捨て、裸体を露にする。
 ペニスはすでに最大限に勃起していた。悠はそれを見やって「いつ見ても小さい」と罵った。そんな言葉さえも樫田の耳には甘美に響いてしまう。
 彼は辛抱堪らずといった風に、どくん、どくん、と脈打つ男根を握って扱き始めた。

「よーく思い出しながらシコシコしてくださいね? 自分の恥ずかしい性癖を晒しながら、色んな人に笑われたり、気味悪がられたりしましたよね?」

 悠の言葉で穿り返された屈辱に、樫田は悔しげな表情をした。
 それも一瞬のことだ。真っ直ぐに自分に向けられている悠の大きく愛らしい瞳を見ていると、悔しかったのか興奮したのか、自分でも分からなくなってしまう。ペニスを扱いているせいもあるのだろう。
 意地悪な、それでいて可愛げのある笑みを浮かべる悠を見上げていると、自尊心などはどこかへ吹き飛んでしまい、ただひらすらに気持ち良さだけ込み上げてくる。
 ペニスを自ら扱きながら、樫田は上体を寝かせる。悠のつま先へと鼻を押し付けた。
 少なからず蒸れた匂いがするが、それは彼にとって不快なものではない。気持ちの良い被虐感を引き立てる為の調味料の様なものだった。
 悦楽を甲高い嬌声で示す樫田に対して、悠は笑みを深めたものの、こう告げた。

「そんな事をして良いとは言ってませんよ。……ほら、顔を上げて」

「うっ、うう……悠ちゃん……」

 名残惜しむかのように、樫田はゆっくりと上体を起こした。
 劣情と興奮によって蕩けた顔をしている彼に、悠が言う。

「ちゃんとおねだり出来たら……匂いぐらい嗅がせてあげても良いですよ?」

 ペニスを握り締めたままで、樫田は一つ頷いた。

「悠ちゃんの足の匂い……かっ、嗅がせてください……!」

 自身が口にする台詞に彼は背筋を震わせていた。
 年下の少女に対して、本来なら頼まれても断るような行為を懇願しているのだ。羞恥を覚えぬ訳が無かった。
 悠は彼のおねだりに満足したらしく、眼前で足を左右に振って見せた後、ぎゅっと足の裏を顔面へと押し付けた。
 蒸れた匂いが鼻腔をくすぐる。顔を押される圧迫感は、被虐的な悦びを彼に認めさせた。
 ペニスを激しく扱き立てながら、樫田は全身をビクビクと震わせた。

「こんなのが嬉しいんですか? 本当に先輩はどうしようもない変態ですね」

 愉しげな悠の声音を聞きながら、樫田は熱い物が込み上げて来ているのを感じた。それがじわじわと肉棒へ昇って来る。
 樫田は少しでも長くこの官能的な状況を愉しもうと射精を堪えるが、堪えれば堪える程、快楽は増していく。
 限界はすぐにやって来た。
 思考は蕩けて真っ白になり、自ら悠の足裏に顔を押し付け、包皮を引き伸ばすようにしてペニスを荒々しく扱く。
 醜悪な痴態を晒しながら快楽に酔い痴れる姿を悠がクスクスと嘲笑い、それが余計に樫田の被虐心を煽る。底なし沼の如き快感の中で、彼は絶頂へ至った。
 ぶびゅっ、びゅるるっ!
 半端に剥けた包皮から覗く鈴口が精液を噴き上げた。
 どこまでも気持ちの良い解放感と共に、樫田は悠への羨望と劣情を一層深くその身に刻み付ける。
 荒い呼吸を繰り返しながら射精の余韻に浸る彼は、あれだけ屈辱を感じた校内散歩の件に対してでさえ、悠を恨む事は出来なくなってしまう。むしろ感謝すら抱いてしまう程に、彼女への服従心を強くするのだった。



 嗜虐的な彼女に対して心酔しつつある樫田だが、彼の中から単純な異性への関心――すなわち一般的な性衝動、セックスを希求する肉欲が無くなった訳ではない。無論、悠から与えられるのは被虐的な快感ばかりだったが、彼は時折それとは正反対の官能を夢想していた。
 そんなある日の事だ。
 樫田の抱く劣情を見抜いてか、悠はある夜、彼にこう切り出した。

「スパンキング……お尻叩き三十回に耐えられたら、セックスさせてあげましょうか? 虐められる方が良いって言うのなら、別ですけど……」

「そんな事は……。で、でも急にどうして、そんな」

「ゲームですよ、ゲーム。暇つぶしの遊びです」

「……耐えるって言ったけど、俺はどうやって耐えられたことを証明すれば良いんだ?」

「ふふっ。乗り気ですね、先輩。さすがは童貞さんです。……嫌だ、とか、やめて、とか言わなければ、それでオーケーです」

 樫田は彼女の挑発に乗るべきか否かを迷った。
 彼女の人となりが如何なるものかは嫌と言うほど知っている。
 耐えたところで、ルールを無視して引っくり返すぐらいのことは――。

「先輩はエッチしたくないんですか?」

 どこか悲しげな声音でそう問われると、あれこれ考えていた思考は一気に四散した。彼女がそんな事で凹む様な性格ではないと分かっていながらも、惹き付けられてしまう。
 
「ゆ、悠ちゃん……」

 と、おろおろした様子で声を掛ける。
 彼女はもう一度「したくないんですか?」と、先と同じような声音を上げた。
 樫田が仕方なく首を横に振ると、悠はけろっとして言った。

「じゃあやりましょう。先輩は服を脱いでそこの壁に手を付いてください」

 今更、嫌だと言う度胸を、樫田は持ち合わせていない。



7.訂正。小は要らず。

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5.玉結ばず


 浴室を出てすぐの所に洗面台がある。台と一体になっている鏡を前にして、悠は背後から樫田の身を抱き締めていた。
 競泳水着の薄い生地だけを間に挟んで互いの身体が密着している状態だ。温かく柔らかい。その感触を認めて樫田は鼓動を高鳴らせている。
 未だローションで濡れている彼の身体を、悠の手が撫でる。
 ぬるり、と滑るようにしてしなやかな指が胸板を這う。
 乳首への刺激を期待させるかのように、その付近で指先がくるりと円を描いた。それから、悠は乳首には触れずに胸の中心に手の平を当てた。

「ふふっ。ドキドキしてるんですか?」

「あ、あう……。し、してる……と思う」

「ふうん。どうして? これからどうやって虐められるのか、想像しちゃったんですか?」

 悠は少し背伸びをして、樫田の耳元で囁くように喋っている。
 耳に吐息が触れるこそばゆさが、彼を余計に興奮させていた。
 樫田が身を小さく震わせながら言う。

「それもあるけど……。それより、ゆ……悠ちゃんの身体が背中に……」

「先輩らしくないですね。そんな普通の男の子みたいな理由で興奮しちゃうなんて。……ちょっと生意気なんじゃないですか?」

 背に触れる女体について口にした時から、そう叱られる予感はしていた。
 樫田はほんの少し身を強張らせて「ごめんなさい」と口にした。
 震える声音で為された謝罪に、悠は満足げに笑みを漏らした。

「そうやってビクビクしてる方が先輩らしくて可愛いですよ」

 そう言った後、右手をペニスへとやった。

「ここも生意気に亀頭を露出させてるけど……らしくないですよね? だって先輩は短小で、包茎の、マゾさんなんだから」

 どこかうっとりとしているようにも聞こえる甘く妖しい声音で囁いた後、悠は彼の包皮を引っ張り伸ばして、亀頭を覆い隠した。
 ほら見て、と悠が目配せで鏡を指す。
 彼女の細い指に摘み上げられ見っとも無く伸びた包皮が視界に映る。その途端に樫田は全身を大きく震わせた。

「興奮しちゃいました? 全く、本当に変態なんだから」

 呆れているような物言いでありながら、声音は痴態を喜んでいるようだった。
 悠は包皮の先端を引っ張り上げながら、左手で乳首を責め始めた。
 乳頭にあてがった指先を揺らすように動かす。小さな突起は上下左右に転がされていた。
 浴室で全身に垂らされたローションの残りが潤滑油となっていた。ぬるぬると乳頭を撫でられる気持ち良さが、ジワジワと胸全体に広がっていく。
 胸元に広がる快感に樫田は身を震わす。
 彼を苛んでいる官能の波は、胸から押し寄せるものばかりではない。
 包皮を摘んだ右手は何度も上下していた。
 縦に伸びたり縮んだりを繰り返す包皮の中で、亀頭は擦られ、そこから痺れるような気持ち良さが湧き上がって来る。
 樫田は熱っぽい吐息を漏らしながら小さく身を捩らせる。

「はあっ、はあ、あっ、ああぁっ……!」

「おちんちんの皮を引っ張られながら、乳首を弄られるのが気持ち良いなんて……他の女の子が知ったら、どう思うのかな?」

「う、ううう……。き、気持ち悪がられます……」

「そうですよねー。だって現に今の先輩、気持ち悪いですし」

 そう言うと同時に、悠は摘み上げている包皮を更に思い切り引っ張り上げた。

「こうやって毎日伸ばしていたら、その内、結べるぐらいになったりして」

 苦しげな呻き声を上げながら、樫田は首を横に振った。
 自身のペニスの先で、包皮が玉結びになっているところを想像すると、ゾッとした。

「ふふっ。嫌なんですか? でも、おちんちんの皮を引っ張られるのは気持ち良いんですよね?」

「うっ、くふっ……き、気持ち良い……」

「我がままですね。それじゃあ、こうしましょうか。私が良いって言うまで射精せずに我慢出来たら、その我がままを聞いてあげます。でも、もし……射精しちゃったら、その時は……ふふっ……」

 どう考えても樫田に不利なゲームだった。制限時間を設ける訳でもないのだから、悠の気分次第でどうにでもなるのだ。
 不服を口にすべきか否かを樫田が迷っている内に、悠はさっさと動き出した。彼の真後ろから少しずれて、上体を回りこませるようにして胸元へ顔を寄せる。乳首に舌を這わせつつ、右手は包皮を責め、左手は尻へと回した。
 股をくぐった悠の左手が樫田の睾丸を鷲掴みにする。そのままムニムニと揉みしだかれる。
 包皮と乳首に刺激を与えられるだけでも容易に快楽の果てへと達しただろうに、悠はより苛烈に彼を責め立てる。

「あっ、あう、あああぁ……!」

 対する樫田は、ただひたすらに、腰の奥から込み上げてくる熱い物を必死でペニスへと流れ込んで来ないように堪えることしか出来ない。
 絶えず嬌声を上げながら、その身を大仰に震わせる。
 鮮やかな色の舌先は淫靡に踊るかのように蠢き、小さな突起に甘い痺れを与え続ける。亀頭を保護すべき包皮は性具の類であるかのように弄ばれ、被虐的な快感を肉棒に生じさせる。そのすぐ下では睾丸が小さな手に優しく揉まれている。
 樫田はその顔に悦楽の色を滲ませながらも、苦しげな声音で言う。

「ゆっ、悠ちゃん、こ、こんなの……むっ、無理……!」

「もう出ちゃいそうなんですか? ……まだ触ってない所もあるのに」

 言うなり、睾丸を揉んでいた手を僅かに引っ込める。しなやかな指が尻の谷間へと埋められる。指先が肛門を撫でた。

「ひゃう、あ、ああ……はあっ、そ、そこは……」

「ふふん。ここも気持ち良いんですか? お尻まで虐められて気持ち良くなっちゃうなんて……恥ずかしい先輩です」

「うっ、く、ふうう……あ、ああっ……」

 悠の指先で肛門を撫でられるのは、非常にくすぐったかった。もちろん、くすぐったいだけではない。そこには快感もしっかりと存在していた。

「ん……ちゅっ……ちゅうう……。ちゅく、ちゅぱっ……」

 淫らに音を立てながら、悠が激しく乳首を舐めしゃぶる。
 彼女は時折、上目遣いで樫田の顔を見上げた。
 潤んだ大きな瞳を向けられると、樫田は一層興奮してしまう。可憐な少女に弄ばれているのだと強く実感させられ、それが被虐的な快感を煽り立てていた。
 端から彼が勝利することは不可能だった。
 射精の引き金となったのは、悠の指先が僅かにアヌスへ沈み込んだ刺激だった。
 包皮を引っ張り上げられ、醜く奇怪な様相を呈するペニスが激しく打ち震え、精を吐き出す。
 びゅくっ、びゅく。
 白濁液が噴き上がる様子を観察することは出来なかったが、樫田の口から上がった嬌声と全身の痙攣から、彼が絶頂を迎えたのだと悠は判断した。

「あーあ。……イッちゃいましたね、先輩」

 彼女が包皮を手放す。一気に縮んだそれが、ペニスの先端で巾着袋の口のようになった後、そこからじわりと精液が滲み出した。
 その情けない己の射精を鏡越しに見つめながら、樫田は不安げな声を上げた。快楽の余韻に浸る余裕はなかった。
 こうして見てみると、以前よりも皮の余り具合が酷くなっている気がしたのだ。

「ゆ、悠ちゃん……まさか、本当に……」

「それこそ、まさか、ですよ。結べる訳ないじゃないですか、馬鹿なんですか?」

「う……。は、はは……そうだよね」

「うん。でも、先輩が勝手に射精したのは事実ですから、罰は与えますよ? ……『僕は乳首を虐められながら、おちんちんの皮を引っ張られるとすぐにイッちゃうマゾです』って書いたホワイトボードでも首から掛けて学園中を練り歩いて貰いましょうか」

 包皮の件が単なる脅しであったことに安堵していた樫田は、これもまた脅し文句に過ぎないのだろうと高をくくった。
 数日後、その判断が誤りであったことを彼は知る。


6.小悪魔少女

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4.浴室の熱


 初日の責めが余程堪えたのか、樫田が悠を侮ることはなくなった。
 彼の変化はそれだけに留まらない。
 更に数度の『お勉強』を経て、悠に対して従順な態度を取るようになっていた。



 二人には通常と異なる、専用の部屋が与えられていた。
 とは言っても、何もSM器具が設置されている訳ではない。
 単に、二人部屋であることに加えて浴室が付いているだけである。
 その浴室にて、樫田は全裸で仰向けになっていた。
 学園指定の競泳水着を纏った悠が、立ったままで彼を見下ろしている。
 彼女の視線を股間に受けて、樫田はそこがむくむくと膨らんでいくのを認めた。

「私の前で裸になるだけで起つようになっちゃいましたね、先輩」

 そう嘲り文句を浴びせながら、悠は勃起した包茎を軽く足蹴にした。
 樫田はペニスをつま先で揺さぶられるだけで、快楽を覚えてしまう。
 喘ぎ声を漏らしながら、うっとりとした目付きで悠を見上げる。
 少女の小柄な肉体を、蠱惑的だと感じながら、一層ペニスを硬くさせる。
 どこまで膨れ上がっても、自ずと包皮が剥けることは無い彼の陰茎を、悠は足の指を器用に広げて挟み込んだ。そのまま根元に向けてゆっくりと包皮を滑らせ、亀頭を露出させた。
 すでにおびただしい量の我慢汁を滲ませていた樫田の亀頭は、テカテカと濡れ光っている。
 悠は包皮を剥き終えるなり、今度はペニスの先端に狙いを付けた。
 ぐりぐりと亀頭を踏み付けてから、僅かに足を上げる。彼女のつま先と樫田の亀頭の間で、我慢汁が糸を引いた。

「勃起するだけじゃなくて、こんなに濡らしちゃうなんて……恥ずかしくないんですか?」

 悠はそう訊ねながら、笑みを浮かべた。
 こんな状況でなければ、可愛らしいばかりの笑顔だが、樫田はそこに嗜虐的なものを認めて、鼓動を早くさせる。頭がクラクラと揺れるような錯覚を感じずにはいられないような興奮の中で、彼は口を開く。

「はっ、恥ずかしい……です……」

「恥ずかしいんだ? それじゃあ、止めて欲しいですか?」

 悠からの問い掛けに、樫田はぎゅっと目を瞑ってから、首を横に振った。
 数日の間に彼はすっかり躾けられてしまっていた。
 ペニスを勃起させたままでは、責めを止めるように懇願したところで、嘘を吐くなと一層激しく虐げられてしまう。もちろん、それは快感を伴う方法ではあったが、まともな男が望むような行為ではなかった。
 恐らく、悠に責めの手を止めさせるには、勃起を鎮めるしかないのだろうが、樫田は彼女を前にすると劣情を抱かずいられなかった。

「分かりました。止めません。……じゃあ、どうして欲しいんですか?」

「も……もっと虐めてください……」
 
 樫田が口にする「おねだり」の台詞も、躾けによって叩き込まれたものだ。
 悠は満足げに笑みを深めて、浴槽の縁に置かれていたローションのボトルを手に取った。

「初めに比べると、随分素直になりましたよね、先輩。……ご褒美にたっぷり気持ち良くしてあげますから、いっぱい喘いでくださいね」

 言いながら、キャップを外したボトルを樫田の身体の上で逆さにした。
 どろりとあふれ出した透明な雫が、長く糸を引きながら落下する。身に触れる液体の冷たさに、樫田は身をぴくりと震わせた。
 そんな反応を愉しむような顔付きの悠は、ボトルの半分が空になるまで、ローションを垂らし続けた。
 全身を粘性の液体に覆われた彼の身を、悠の細い脚が踏み付ける。
 ぬちゃりっ、と粘着質な音が浴室に響いた。
 胸板に置いた足を滑らせて、手始めに乳首を撫でる。樫田はそこから生じた甘い痺れに呻き声を上げた。
 そこがツンと尖っているのは、ローションの冷たさに当てられた為ばかりではない。競泳水着姿の美少女を見上げて、彼は呼吸を荒げていた。

「はあっ、はっ、あ、あああぁ……」

 ぬるぬるとした足裏で敏感な乳首を撫で転がされる。
 その快感に加えて、ぴっちりとした生地に覆われ、身体のあらゆる曲線を浮き彫りにさせた美少女に見下ろされているのだから、堪ったものではなかった。
 ペニスはドクドクと大きく脈を打ち、劣情はもやの様に思考を曇らせていく。
 羞恥を感じるべき理性は徐々に快楽によって侵食され、樫田は呆けた様な顔で声を上げる。

「あっ、ああ、きっ、気持ち良い……あっ、あぁ……」

 快感を吐露する彼をクスクスと笑いながら、悠は浴槽のへりに腰掛けて、両脚を使い始めた。右足で乳首を執拗に撫で回し、左脚では睾丸を乱雑に弄んでいる。ぬるぬると滑りながら逃げていく睾丸をつま先で小突き、足の裏で踏み潰す。
 樫田は少々の痛みを覚えていたが、それは被虐的な興奮を煽るばかりで、不快ではなかった。
 時折、全身を大きく跳ね上げながら、樫田はしばしの間、乳首と睾丸を責められ続けた。その間、悠は一切ペニスに触れることがなかった。
 放られたそれは、ジンジンとした切ない疼きに苛まれながら、我慢汁を滴らせ続けている。
 その疼きに耐えかねて、樫田は声を上げた。

「ち……ちんぽも……触って、ください……!」

 言いながら、視線を彼女に向ける。
 嗜虐の熱に浮かされて潤んだ大きな瞳。そこに吸い込まれてしまうような錯覚を抱きながら、視界の端に映る艶やかな唇が笑みを刻むのを認める。
 
「良いけど、射精はしちゃ駄目ですよ。排水溝を詰まらせたら、怒れちゃう。……射精無しでおちんちんを弄られたら、余計に辛くなる気がするけど、本当に良いんですか?」

 樫田は一瞬だけ躊躇った。彼女の言い分に間違いは無い。射精を禁じられながら陰茎を弄ばれるなど、今以上にじれったい思いを抱かずにはいられないだろう。それでも彼は頷いてしまう。ペニスの疼きに屈する以上に、悠が如何なる答えを求めているのかを察したがゆえだった。
 愛らしい童顔に笑みを湛えて、彼女が命じる。

「それじゃあ、そこで四つん這いになってください。お尻はこっちに向けて。そう、それで良いです」

 樫田は羞恥に身を震わせていた。
 年下の異性に対して、肛門まで晒しているのだから無理もない。
 真っ赤に染まった顔面とは裏腹に、男根は嬉しげにびくびくと脈を打ってしまっている。単に恥じるのみであれば、そうはならない。見た目麗しい少女から与えられた羞恥であるからこそ、彼は快感を覚えてしまう。
 悠の言葉が一層その甘美な羞恥を煽り立てる。

「ふふっ、今の先輩の格好、凄く恥ずかしいですよ? 女の子にお尻を差し出して、おちんちんも金玉も無防備に晒す気分はどうですか? 私が想像するに……最悪ですよ。今すぐ消えて無くなりたいと思うぐらいに屈辱だと思います。……先輩は、どうなんですか?」

 樫田の全身はやや異常なぐらいに震えていた。それは声音にまで伝わっていた。

「ゆっ、悠ちゃんの言う通りです……」

 言い終えた後、樫田の荒い呼吸音が段々と大きくなっていく。彼は頭がグラグラと揺れるような興奮と劣情に苛まれていた。
 びくんっ、と跳ね上がった尻へと脚を伸ばしながら、悠が言う。

「へええ、まだ羞恥心が残ってたんですね。こんな格好をしながら勃起してる変態の癖に」

 腹にへばり付かんばかりの勢いで屹立したペニスに、悠のつま先が触れた。
 待ちに待った肉棒への刺激に、樫田は喘ぎを漏らしてしまう。

「気持ち良さそうな声ですね。先輩、本当に屈辱なんて感じてるんですか?」

「あっ、あ、あああ、だ、だって……」

「嘘は吐くなって何度も言ったよね」

 悠の声音は、弾むような愉しげなものから、冷たく硬質なものへと変化していた。

「恥ずかしい目に合わされるのが気持ち良くて堪らない癖に。見っとも無い姿でちんぽ虐めて欲しくて仕方ないんだよね?」

 言いながら、ペニスの裏側につま先をあてがい何度も撫で付ける。
 その気持ち良さに、腰を上下に揺らしながら樫田が声を上げる。

「あっ、ああぁ……ご、ごめんなさい、気持ち良いっ、です……!」

 そう告げたものの、樫田に己を偽ったつもりはなかった。
 正確に言えば、恥ずかしいと感じながらも気持ち良くなってしまっているのが今の状況だった。

「そうそう、最初から気持ち良いって素直に認めなよ。屈辱なんて無いよね? ちんぽ虐められて気持ち良くなれれば、何でも良いんだもんね」

 足を用いての責めは、一層激しさを増していた。
 悠は裏筋を撫でるだけではなく、指の間に挟み込んだ肉の幹を扱き立てていた。粘着質な音が響く。そこに樫田のあられもない声音が混じった。

「あああっ、あんっ、はっ、はい! 気持ち良くなれれば、それで……良いですっ、ああああぁっ!」

 背後から、しかも足でペニスを扱かれる。
 その倒錯的な行為がもたらす快感に、樫田は酔い痴れていた。
 もはや羞恥は興奮を高める為の材料でしかなくなり、膨らみ続ける快楽は限界を超えようとしていた。
 足指に挟み込まれた男根が一際大きく膨らみ、樫田の腰が何度も激しく跳ね上がる。彼の肉体が射精の前兆を示すと、悠は訊ねた。

「イキそうなの?」

 樫田が甲高い声で「はい」と答える。
 ペニスはどこまでも甘く痺れ、その根元よりも更に奥深いところから、熱い物が込み上げて来ている。それを放出したいと強く感じていた。
 悠が事前に告げた言葉などは、とうに頭の隅へと追いやられてしまっていた。
 ふふ、と笑みを漏らした美少女は、脚の動きを加速させた。
 ちゅくっ、ちゅく、ぬちゃ。もはや扱かれていると言うよりも、揉みくちゃにされているような荒っぽい責めを受け、樫田はますます強く射精が近付いてくるのを認めた。

「イッ、イ、あああぁっ、もうっ、もうイクッ、イキそうっ、あああ!!」

 叫び声をもってそう告げるも、悠に脚の動きを緩める気配は無かった。
 樫田はいよいよ待ち焦がれた瞬間を迎えられる、と射精を堪える為に力ませていた下半身から力を抜こうとした。
 それは僅かの差だった。
 射精が始まるぎりぎりのところで、悠はペニスから足を一度離した。すぐさま続けて睾丸を蹴り上げつつ、声を張る。

「出すなって言ったでしょう!」

 如何に少女の華奢な脚から放たれたとは言え、急所への的確な一撃は多大な痛みを彼にもたらした。蹴られた瞬間に飛び上がるように尻を上げ、そのまま倒れるように浴室の床に伸びてしまう。
 当然、射精へ至ることはなかったが、それでもペニスは萎えずに勃起を保っていた。
 悠が柔らかな声音で言う。

「もう駄目ですよ? 精子で排水溝を詰まらせちゃいましたー、なんて、私の躾けが疑われちゃいますからね。先輩? 射精したいならお風呂から出てからにしましょうね」

 痛みにビクビクと身を震わせながらも、樫田は健気に「はい」と返事をした。

「それじゃあ、私の脚を綺麗にしてください。先輩の身体を弄ったせいで汚れちゃったんだから、先輩が綺麗にするのが当然ですよね?」

 未だに痛みが後を引くも、いつまで寝転がっていては叱られてしまうと樫田は身を起こした。
 目尻に涙を浮かべつつも、浴槽のふちに腰を掛けた少女が浮かべる嗜虐的な笑みを見上げてドキドキと胸を高鳴らせた。
 一方は水着で、一方は全裸。そんな状況で奉仕するかの様に、悠の脚を丁寧に洗う。その最中も、ペニスはいきり立ったまま脈を打っていた。

「金玉を蹴られたにも関わらず、大人しく従っちゃうなんて本当に先輩は虐められたがりの変態さんですね」

 そう嘲笑う悠に続いて、浴室を出る。
 ローションを綺麗に洗い流した彼女の脚とは違い、樫田の身は汚れたままだった。


5.玉結ばず

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16.倒錯的恋愛


 痙攣を続ける俺の身から茜が離れていく。
 とっくに刺激は止んだはずだが、その余韻だけで俺は絶頂し続けていた。
 全身へと広がった甘い快感に酔い痴れるばかりだ。
 情けない顔をして全身を震わす俺を見下ろし、彼女は笑みを漏らしていた。
 ややして、俺が徐々に落ち着きを取り戻し始めると茜は言った。

「郡山くんに、一つ謝らないといけないことがあるの」

「はあ……はあ……。い、一体なんだ?」

「実はね」

 そこで言葉を区切った彼女が、箱から取り出したのは、俺が壊してしまったものとそっくりな小さな鍵だった。

「ちゃんと予備があるの」

「あ、ああ……」

 俺は何と言えば良いのか分からずに、曖昧な相槌を打った。
 何より先に感じたのは安堵だが、やや残念にも思ってしまう。二度とペニスを刺激することが出来ない。男としての存在を否定されているような状況で身体を弄ばれた末に迎える絶頂の悦びを知ってしまったからだ。
 茜の手によって鍵が外され、貞操帯を取り除かれる。
 大量の我慢汁で濡れ光るペニスは、水を得た魚のようにむくむくと膨らんでいった。

「どうして貞操帯を外したと思う?」

「え?」

「ふふ、焦らされてる郡山くんも好きだけど、やっぱりおちんちんで気持ち良くなってる時の貴方が一番好き」

 そう告げる彼女の手には、包帯が握られている。
 散々弄ばれ、責め立てられ、未だに思考がまともに回らない俺は、ただ彼女の言葉に胸をドキドキさせるばかりだ。されるがままに、包帯で目元を覆われる。
 
「……絶対に自分では動かないでね」

「わ、分かった……」

 この辺りで、ようやく俺は「もしや」と考え始めた。
 遮られた視界の向こうで、茜がボンテージを脱ぐような気配がするのを認めて、俺は生唾を飲んだ。
 茜はもう一度、動かないで、と念を押した。
 それに頷いて答えると何かがペニスに触れた。
 熱く湿った感触によって、男根は腹側へと押し倒される。
 ぬちゃり、という湿った音と共に、柔らかなものに撫でられる感覚。

「……素股っていうんだっけ?」

 どこか上擦った茜の声がそう問い掛けてくる。
 そうか。俺は素股されているのか。

「素股……」

 ぼんやりと俺が呟くと、ペニスがニ、三続けて撫で擦られた。
 粘着質な音が響き、俺の腰が大きく震えた。
 互いの生殖器が擦れ合う快感に、俺はまたしても己を失い始めていた。
 肉棒を撫でているのが、茜の性器だという事に堪らなく興奮してしまう。
 指で触るのとは異なり、男根では正確に形を捉えることが出来ないが、確かにそれは割れ目だと言えた。
 熱く火照り濡れそぼった縦長の窪みと、その柔らかな外縁、大陰唇の存在を感じられる。

「あっ、茜!!」

 思わず声を上げて、彼女に向かって腕を伸ばす。
 しかし、先手を取ったのは茜だった。

「動かないで」

 静かに言いながら、俺の乳首を両手の指でそれぞれ摘み上げた。
 俺は呻き声を上げると同時に、動きを止めた。
 止めざるを得なかった。
 貞操帯を付けられた状態で受けていた責めの余韻がそこには残っていた。
 乳首は甘く痺れ、ペニスはますます硬くなる。硬くなったそれを女陰によって撫で擦られる。身体の自由が利かなくなるのも仕方ないような快感が込み上げてきていた。

「あうっ、うっ、ううう……」

「ふふ、気持ち良いの?」

「気持ち良いっ……!」

 搾り出したような俺の声音に、彼女はもう一度小さく笑みを漏らした。
 それから黙して腰を前後に揺らした。
 ちゅくっ、ちゅく、と湿った音が淫靡に響く。
 俺は、耳へと届くその音色に堪らなく興奮しながら、男根を激しく脈打たせた。
 次第に茜の呼吸が荒くなり始め、更には僅かな喘ぎ声が混じり出す。
 俺はいよいよ頭がどうにかなってしまいそうだった。
 一方的に責められている、と言うよりも段々とその行為は、茜の自慰的な側面が強くなりつつあった。愛しい少女に自慰の道具にされる。その事実に、俺の背筋はゾクゾクと震えていた。
 茜は快楽を得つつも、責めの手を緩めなかった。すなわち、俺の乳首は彼女の指先で執拗に撫で転がされ続けていた。
 胸と股間に響く快感が、俺を飲み込み、蕩かしていく。

「あああぁっ、茜っ、茜……!」

 ヴァギナを擦り付けられているペニスはすでに愛液でぐっしょりと濡れている。肉棒ばかりでなく、その周囲にまで発情の証は広がっていく。

「んっ……ん、ん……」

 慎ましやかながらに艶とした吐息を漏らしながら、茜は徐々に腰の動きを早めていった。それに伴い快楽も膨らんでいく。俺は今にも弾け飛んでしまいそうなほどに膨れ上がったペニスに、じわじわと熱い物が込み上げつつあるのを認めた。

「ううう、あ、茜、もう……で、出そうだっ……!」

「待って……」

 彼女はそう告げながら、熱っぽい息を吐いた。
 ああ、茜も絶頂へ至ることを求めているのか。
 それを思うと、余計に劣情が刺激され、射精の予兆が近付いてくる。加えて「待て」と指示しながらも、茜は乳首を責め続けている。俺は堪らずに身を捩りながら、何度も絶頂が近いことを告げた。
 それでも茜は責めの手を緩めようとはしてくれない。

「ん……。はあ、はあ……。ふふっ、駄目、もっと、もっと我慢して?」

「そっ、そんな……!」

 この期に及んで焦らされるとは思っていなかった。
 俺はもう無理だと首を振りつつ、必死に射精を堪える。
 そんな努力を嘲笑うかのように、茜は上体を寝かせてキスをしてきた。

「んっ、んんん……!」

 口腔を蹂躙するような荒っぽい口付けだった。
 それは愛情を示すための行為ではなく、単に俺を一層追い詰めるためだけに為されたように思えた。
 挿入へこそ至っていないものの、これではまるで犯されているようだ。
 そうした思考が過ぎった途端にペニスが暴れるように脈打った。
 茜に犯される。犯される。――自然と脳内で反芻されるその言葉に、俺は酷く興奮していた。それは雄にあるまじき悦びだ。
 遮られた視界の向こうに少女の華奢な身体を思い描く。
 その小さくほっそりとした肉体に、俺は犯されていた。
 
 荒々しいキスの激しさは、その極致へと至る。俺が伸ばした舌を茜はまるでフェラチオでもするかのように舐めしゃぶった。舌は肉棒にも負けず劣らずの性感帯と化して、快楽を湧き立たせた。
 そのあまりの気持ち良さに呆然としていると、茜は一度口を離した。
 すぐに再び唇が奪われる。今度は先と違って、彼女の舌が口腔へと潜り込んで来た。それを受け止めつつ、流し込まれる唾液を嚥下する。
 俺が喉を鳴らし終えると、計ったように乳首が強く摘み上げられた。
 電流のような快楽が胸に走り、俺はくぐもった呻き声を上げながら背を弓形に反らす。その瞬間、これまでにない勢いで男根に女陰が押し付けられる。
 ぬくちゅっ。
 火照った淫液を滴らせるその割れ目に、ペニスの半分程が飲み込まれる。飲み込まれると言っても一般的な挿入ではない。腹に向けて押し倒されたままで、男根の中腹辺りが膣の極めて浅い所に飲まれていた。
 
 茜はそのまま腰を前後に数回滑らせた。
 ぬるりとした柔らかな媚肉で男根を扱き上げられる。散々焦らされた身でその快感に耐えられるはずがなかった。
 頭か身体のどこかがいかれてしまったかの様に、俺は激しく痙攣しながら快楽の果てへと至った。
 ぶびゅくっ、びゅるるっ!
 耐えに耐えた末に精液を吐き出す。その悦びは、どこか失禁を彷彿とさせるようでありながら、排泄行為では決して味わえぬ甘いものを秘めていた。
 俺は目を白黒させながら、咆哮めいた喘ぎ声を上げていた。
 やや間を置いて、茜の荒い息遣いを耳元に認める。

「はあ……。いっぱい出たね? 私も気持ち良かったよ」



 終わったのだろうか。
 俺達は窓から空を見上げていた。
 黒い雲は消えてなくなり、青空だけがどこまでも広がっている。

「……呪いは消えたのか?」

「多分……ね」

 多分か。俺は少しばかりもやもやとしたものを感じた。
 どうせなら、綺麗さっぱり残っている可能性まで消えてくれれば良かったのだが、そうそう上手くはいかないのだろうか。

「まあ……茜の体調が戻ったのなら、それで良しとするか」

 隣に立つ彼女が小さく頷く。

「もし何かあっても、郡山くんが居てくれれば大丈夫だと思う。……それから、呪いもそんなに悪いものじゃないと思う」

「ん?」

「切っ掛けになってくれた」

 俺は少し考えて、その意味をすぐに理解した。
 確かに、彼女が呪われていなければ、俺は今頃どうなっていただろうか。
 こうして茜の傍に居る事もなく、不埒な行為を働いた変態として学園を追われていたかも知れない。
 もしもの未来を想像してゾッとするも、それを避けられたのは俺にとっての利でしかない。彼女がわざわざ「呪いも悪くない」と言ったのには別の理由がある。それはつまり――。
 濃厚な射精を経たせいか、俺はすっかり冷静になっており、それを口にするのは恥ずかしかった。そう、彼女は俺を本当に好いてくれているのだろう。
 互いにそわそわとしつつ、目を合わせることも出来ずに空を見上げる。
 俺はその真っ当な青春然とした雰囲気に耐えられずに、口を開いた。

「あ、茜、呪いってのは……その、自然現象の様なものか? それとも、ひょっとして誰かに掛けられる様なものなのか?」

 茜は短い沈黙を挟んでから言った。

「それはまた今度ね。……今日はちょっと、自分を出し過ぎたかな、って」

 波乱の半日を振り返る。
 納得だ。もはや彼女に俺を変態だと誹る権利は無いと言って良いだろう。
 俺は横目に茜を見やった。
 端整な横顔は、今まさに赤くなっている最中だった。
 照れてる茜も可愛い。可愛いのだが、その照れている理由を思い出してしまうと、可愛いと感じるだけでは済まない。エロい。エロ素晴らしい。
 俺はむくむくと股間が膨らみ出すのを認めた。
 元気過ぎるだろ、俺のおちんぽ……。
 ちょっとおかしいのではないかと自分で思いつつも、こうなっては行けるところまで行くべきだろう。本番だ!
 そこへ至るべく、俺はそっと茜の肩に手を回そうと試みるが、その手はすぐに叩かれてしまった。
 真っ赤な顔をした茜が俺を見上げて、キッと目に力を入れて凄みを利かせた。
 もちろん、凄みなんてものは彼女には無い。
 俺は好色漢めいた笑みを浮かべつつ茜へとにじり寄る。

「あれだけの事をやったんだ、今更、普通のエッチぐらい……」

 それが俺の言い分だったが、彼女には通じぬ理屈だったらしい。
 股間を思い切り蹴り上げられた。

「あふうっ!」

 妙な悲鳴を上げると同時に股を強く閉じて床にへたり込む。
 どうやらエッチはまだまだ先の事になりそうだ。
 ぷいっ、と顔を背けた茜の心情もその要因であるが、それ以上に、金的を喰らってちょっと精子を漏らしてしまった俺に問題があるだろう。
 普通のエッチじゃイケない身体になってたらどうしようか。
 ……それはまあ、それはそれで良いか。と、茜を見上げつつ思うのだった。


おわり



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