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ぷるんぷるるん

女の子に気持ち良くいじめられるM男向け官能小説公開中。

4.放課後の悪意

 指導室を出た後も、樫田は全身に貝塚の気配が纏わり付いているような心地がしていた。
 匂い、声音、密着した身体。
 どれをとっても艶やかな感覚は鮮明に残っており、樫田はそれにじわじわと飲み込まれていく様な錯覚に陥る。
 それは、肉欲をくすぐられるようでありながら、得体の知れない闇に飲まれていくような恐怖を覚えずには、いられないような感覚だった。
 息を乱しながら、樫田は逃げるようにして寮へと向かった。
 

 
 樫田がなだれ込むようにして、部屋に入る。
 机に掛けて雑誌を読んでいた弥生は、その手を止めて顔を上げた。
 目が合う。
 その途端に、樫田は指導室での一幕を思い出す。
 貝塚の言葉から連想してしまった、弥生の淫らな姿。
 
 目をぱちくりさせる眼前の彼女に、それを重ねてしまう。
 そんな事をしてはいけないと自身に制止を掛けるも、思考は言うことを効かず淫蕩な妄想を次から次へと脳裏へ浮かべていく。
 寮へと戻るまでの道すがらに萎んだはずの情欲が湧き上がってくる。
 ペニスが硬く膨らむのに、時間は要らなかった。
 小さい、短い、と馬鹿にされる樫田のそれだが、勃起したとなれば、股間にテントを張れない程ではない。
 それを認めて、弥生が股間から目を反らして言った。

「渉、何か変なことでも考えてる?」

 声音には、僅かながらの緊張が混じっていた。
 彼女の言葉を受けて、我に返った樫田が、慌てて股間を両手で覆い隠した。
 それから消え入りそうな声で謝った。

「ごめん……」

「べ、別に、変なことを考えてる訳じゃないなら、謝らなくて良いよ……。生理現象なんだし」

 そう告げた弥生の声は、安堵の様なものを含んでいた。
 とは言え、早々に切り替えられるものでもなかった。
 如何にからりとした気性の弥生でも、異性と密室で二人切りなのだと意識せざるを得ない。
 気弱なところのある樫田だから、襲って来たりはしないだろうけど、と考えつつも言動の節々にはぎこちなさが出てしまう。
 樫田の方もそんな弥生の反応に気付き、いつものように接することは出来なかった。
 互いに意識してしまい、その日、二人の勉強会はさして捗ることなく終わった。



 翌日の放課後、今度は弥生が指導室に呼び出されていた。
 樫田が感じた匂いと同じものを、弥生は指導室に入ってすぐに認めた。
 甘い香り。
 それは、弥生が好むお香のそれとは、正反対の印象を彼女に抱かせた。
 ホワイトセージの香は、静謐や安寧と言ったものを感じさせる。今、鼻腔を突くこの甘さは、訳もなく胸がざわついて来る気がした。
 
 弥生は顔をしかめつつ、貝塚に用件を訊ねた。
 さっさと話を済ませて、この部屋から出たい。
 そんな弥生の思いを見抜いた上で、あえて引き止めているかの如く、貝塚は然して意味の無い様な会話を続けた。
 しばらくは、それに律儀に答えていた弥生だが、貝塚の口から天気が云々と出て来ると、流石に痺れを切らして声を上げた。

「何か用がある訳でもないのなら、もう良いですか?」

「ああ……世間話が過ぎたわね。聞きたかったのは、樫田くんのことよ。そろそろ欲求不満なんじゃないかしらね。貴方の前で勃起したりしていない?」

 前日の一幕をどこかで見ていたかのような、口ぶりだった。
 弥生は何かを言い返そうとするが、先に貝塚が言葉を続けて遮った。

「小さい粗末なペニスを一丁前におっ立てているんじゃないかしら?」

 言い終えると、貝塚は弥生に向けて、口角を吊り上げて見せた。
 その表情に、弥生は苛立ちを覚えた。
 先の樫田を侮辱するような言葉にも、そこへ至るまでの無駄話にもムカムカとしてくる。
 冷静さを欠いていると頭では分かっていながらも、感情は止められない。
 弥生は半ば衝動的に言った。

「そんなこと、貝塚先生には関係ないんじゃないですか」

「ふふふっ。そう? 菅野さんがしっかりお世話してあげてるのかしら?」

「違います。彼だって、子供じゃないんだから……その……自分でなんとかしてるはずですよ」

「あら、それは可哀想じゃない? 貴方がしゃしゃり出て来なければ、彼は今頃、他の女の子にいやらしく虐められながら、駄目なおちんちんを躾けて貰えていたはずなんだから」

 まるで、樫田にとって、その方が本望だったのではないかと言うような口ぶりだった。
 確かに、弥生も彼が責められ果てる姿を見たことはあるが、それは自ら望んだものではないだろうに。弥生は自分でも、どうしてそこまで、と疑問を抱くぐらいに怒りを感じていた。
 きつく握り締めた拳をわなわなと震わせながら、貝塚を睨みつける。
 樫田がそんな表情を向けられた日には、泣いて詫びるであろう気迫があった。
 女教師は余裕たっぷりにそれを受け止めながら、言う。

「ふふっ……。どうしたのかしら、急に怖い顔をしちゃって。まあ、良いわ。それより樫田くんに伝えておいてくれる?」

 罵声の一つでも上げてしまいそうになるのを堪えて、弥生は硬く言った。

「何を、ですか」

「我慢出来なくなったら先生がたっぷり虐めて性処理してあげるわよ、って。私の足元で猿の様におちんちんを扱いても良いし、何時だったかの様にみんなの前で全裸に剥いて、皮被りちんぽを丸出しにさせてあげても良いわよ、とも付け足しておいて……ふふっ……」

(この人は、渉をなんだと思ってるの……!)

 昨日こそ、ぎくしゃくとして過ごしたが、それだけで樫田に対する情が薄れた訳ではない。
 友人や仲間だと言っても差し支えのない相手をこうも貶められるのは、非常に不愉快だった。

「分かりました! これで失礼します!」

 語気を荒げて言うなり、弥生は貝塚に背を向けて、指導室を出た。
 後ろ手に、叩きつけるような勢いで扉を閉める。
 貝塚の言葉を樫田に伝える気は、もちろんない。
 とにかく指導室から離れたい一心のもとに早足で、寮へと向かいながら弥生は一つの考えに至る。
 どうしてこんなことを思ってしまったのか。怒りのあまり思考回路が捩れてはいないか、と冷静な部分が問い掛けるが、弥生は頭に浮かんだ考えを振り払うことが出来ない。
 ――あんな相手に渉が世話になるぐらいなら、私がしてあげれば良いのよ、と。


5.変化

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コメント


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面白くなってきたなぁ、樫田がこれからどうなるのか見ものです。

| URL | 2016-09-12(Mon)05:31 [編集]