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ぷるんぷるるん

女の子に気持ち良くいじめられるM男向け官能小説公開中。

10.融解


 僅かな理性が弥生の存在を意識に留めさせるが、身体は本能に従って動き始めた。
 自らも舌を伸ばして、貝塚のそれに絡み付かせる。
 堕ちいく彼の姿に、貝塚は愉しげに目を細めた。
 彼女は口淫めいた接吻を続けながら、立ち位置を変えた。
 互いに舌を伸ばし、唾液が滴るのを気にも留めずに貪り合う様を弥生へと見せ付ける。
 
 性愛の何たるか、その上辺にほんの少し触れたばかりの初心な少女にとって、どれほど酷であったか。
 しばし茫然自失としていた弥生の瞳から涙が零れ落ちる。
 
 彼女のそんな姿を視界の端に捉えてなお、樫田の身体は色香に溢れた女教師を求めて止まない。
 罪悪感を認めながら味わう背徳の悦びは、今日へ至るまでに散々刻み込まれきた。
 男根は痛みを覚える程に硬く反り返り、更なる官能を求めて疼きを放っていた。
 彼の発情を見透かしたように、貝塚は制服へと手を掛けた。
 
 布が肌に擦れる、その些細な刺激でさえも性感となってしまう。
 そんな状態で、抵抗など出来るはずもなく、樫田はされるがままに脱衣させられていった。
 最後に残された下着は、怒張するペニスに押し上げられて膨らんでいた。
 その先端は湿っている。
 貝塚はその中へ白い手を滑り込ませた。
 しなやかな指がゆっくりと這うようにして、睾丸を捉える。
 それを優しく揉みながら、くすりと笑った。

「相変らず、勃起だけは上手ね」

 妖しげな声音は脳へと染み渡り、更なる劣情を喚起させる。
 ペニスは激しく脈打ちながら、甘く痺れるような疼きを放つ。
 狂おしいまでに肉体は快楽を求めて止まないが、欲求に全てを委ねることは出来ない。
 吹けば消し飛ぶ程に薄っすらではあったが、理性はまだ残っている。
 意識は、両手で顔を覆って泣いている弥生の姿を認めていた。
 気が触れるほどの劣情に襲われながらも、樫田は口を開いた。

「や、弥生には……何も……しないでくれ……!」

 自身が貶められるのは避けようが無いと諦めていた。それならば、せめて弥生だけでも救いたい。その一心から言葉だった。
 彼の言葉を受けて、貝塚は目を丸くさせた。
 ややあってから彼女は、満面の笑みで樫田の頭を撫でた。

「良い子ね。私が教えてあげたこと、良く理解出来てるわ。……彼女を蔑ろにしちゃ裏切る気持ち良さは味わえないものね」

 樫田は反射的に違うと否定するが、貝塚ばかりではなく、己の肉体までもがそれを嘲笑う。
 頭を離れた手によってずり下げられた下着から、飛び出すように陰茎が姿を見せる。それは腹に引っ付かんばかりの勢いで勃起していた。
 
 その先っぽで、つぼみの様に窄まっている包皮を、貝塚が指先で摘み上げた。
 彼女は弄ぶようにしてそれを数度引っ張った。
 その度に樫田の口元からは、あられもない声音が上がった。
 極限まで発情し敏感になったペニスは、如何なる刺激をも快楽として受容してしまう。望まざる官能的な心地良さが樫田の身をじわじわと蝕んでいく。
 
 それでも彼の心を砕き切るには、至らなかった。
 これ以上醜態を晒す訳にはいかない。樫田はそう考え、快感から逃れんとして腰を引いた。
 どこな意地悪なものを含んだ玲瓏な笑みを浮かべて、貝塚はペニスを手放した。
 それに固執せずとも、性感帯は幾らでもあるのだ。
 鮮やかな舌を大きく伸ばして首筋に這わせ、細い指の先を乳首へと突き立て優しく引っ掻く。

「あうっ……く、ううう……」

 幾らか甘い刺激を与えれば、それだけで彼の身体は制御が効かなくなる。
 性感に打ち震える肉棒から、とぷっ、と透明な粘液があふれ出した。
 貝塚は追い討ちを掛けるように更に激しく乳頭を弄び、首へと吸い付く。
 首筋に鈍い痛みの混じった刺す様な刺激が走り、胸元には桃色の痺れが広がっていく。
 樫田は下半身を見っとも無く震わせ、程なくして膝を着いた。
 そこへ貝塚が身を屈めた。それから、樫田の目線の先にある襟元を緩めた。
 豊満な胸の谷間と、それを彩る清楚とは正反対の色情をそそり立たせる為だけに存在するような下着の一部を見せ付ける。
 樫田の目が見開かれ、全身が大きく脈を打った。
 込み上げる途方も無い劣情が、彼の思考を一瞬全て白く染め上げた。
 
 どうして良いのか分からない、と言った呆けたような顔つきで、貝塚を見上げる。
 目が合うと彼女は淫蕩を体現するかのような笑みを浮かべ、樫田の頬を捕らえて上を向かせた。
 白い指が、ぎゅっと頬を押して彼の口を開かせた。
 それは餌を待ち侘びる雛の様な姿だった。
 そこへ目掛けて貝塚は唇を窄ませた。
 唾液の雫がせり出し、ぽたりと落ちる。更に続けて二滴。
 キスの際に舌と共に流れ込んで来る唾液を受け入れるのとは、また違った興奮があった。
 樫田の胸には、卑屈なものを含んだ倒錯的な劣情が込み上げていた。
 その肉体がビクビクッと脈を打つ。
 感情の高ぶりに因る反応の域を越えて、全身が官能の波に晒されていた。
 鼓動に合わせて男根が上下に大きく揺れる。
 その先端からは止め処なく我慢汁が溢れ出していた。

 樫田は身動きが取れずにいた。
 自身の肌が触れ合う刺激でさえも、絶頂への引き金となりかねない程に身体の至るところが過敏になっていた。
 濡れそぼった大きな瞳に見下ろされているだけで、甘い疼きが込み上げて止まらなかった。
 荒い吐息を漏らすばかりの樫田に、貝塚は小さく笑いかけて背を向けた。

「はあ……は、あっ……あ、あぁ……や、やめっ……」

 弥生へと向かう貝塚に対して、弱々しく声を上げる。
 貝塚は振り返らずに言う。

「ふふっ、そんなに心配しなくても何もしないわよ。彼女には、ね」

 含みのある物言いに、樫田は不安を覚えるが、だからと言って何が出来るでもなかった。
 身の内から襲い来る官能的な痺れに耐えるので精一杯だ。
 貝塚が近付くと、弥生は涙に濡れた顔を上げた。
 そこに浮かぶ表情には悲観の色が強く滲んでいた。
 弥生を見下ろし、貝塚が言う。

「泣いているばかりで良いのかしら? このまま何もせずに彼が堕ちていくのを黙って見ているだけなら、今日へ至るまでの日々など無かったも同然……私はそう思うわよ?」

 ――彼女は何を言っているのか。
 弥生は呆けたように口を半分開いた。
 自らこんな状況を作り出しておいて、今更教師ぶるような台詞を投げ掛けてくるとは思いもしなかったのだ。
 
 貝塚は、困惑する弥生を愉しげに眺めつつ、その身を拘束していた縄を解いてやった。
 
 目をしばたたかせるばかりの弥生は、どうして良いのやらと言った様子で、おずおずと立ち上がった。
 普段のそれとは比べ物にもならない、異様なまでの色香を放つ貝塚を前に硬直し、抵抗も出来ぬまま下着姿にされて縄を掛けられた時には生きた心地がしなかったものだが、身の自由が利くようになると恐怖心は徐々に覚めていった。
 直面している状況自体には変化がなく、足が地に着かないものの、その度合いはずっと軽いものになった。
 弥生は全裸で身を震わせている樫田と、薄笑みを浮かべている貝塚を交互に見やった。
 それから、身の処し方を考えた。
 樫田と貝塚の関係が良からぬものであるなら、それは浮気であり、この状況は修羅場と言える。しかし、相手が教師であることに加えて、どうにも得体が知れない。
 異性愛者である自分までもが、彼女の放つ色香に当てられると性的な興奮を催してしまう。それは筋道の通った肉体的、精神的な反応であるとは考え難かった。
 強引に本能を剥き出しにされるような感覚は、道理に反している気がした。
 彼女は一体何者なのか。
 それを考える内に、弥生はあることに気付いた。
 ――そもそも自分は図書室にいたはずだが、寮へと戻った記憶はない。
 思わず口が動く。

「あ……貴女は一体……。ほ、本当に貝塚先生……?」

「ふふ。さあ、どうかしら」

 そう嘯いた後に、貝塚は言う。

「それより、彼の心配をしたらどう? もう射精したくて堪らないって顔してるわよ? ……なんなら、いつもはどうやっておちんちんを可愛がっているのか、見せてあげても良いけど、悔しくない?」

「何を……」

 事態は単なる色恋沙汰ではなく、怪奇な様相を見せ始めている。
 それを引き起こしている貝塚自身はともかく、弥生に樫田の貞操へと気を割く余裕はない。
 本人もそう自覚しているものの、加速度的に膨れ上がる一つの感情を認めずにはいられなかった。嫉妬だ。
 それは、劣情を強引に湧き立たせられたのと同じく、不可解な力が作用している様だと弥生は感じた。
 このおかしな感情の変化に惑わされてはいけない、自らに言い聞かせるも、頭が朦朧としてくるような、強大な嫉妬心を抑えてはいられなかった。
 もはや理性による歯止めは利かず、とにかく樫田の心が自身に傾いているのだと証明しようと、身体が動き出す。

 相変らず込み上げるものに耐え続けている樫田の前に、弥生がしゃがみ込む。
 その姿を眺めて、貝塚は目を細めた。
 弥生は怒張し脈打つ男根へと手を伸ばした。
 
 手の平がそこに触れると、樫田は肩を大きく跳ね上がらせた。
 空気の流れでさえも性感となり得るほどだったが、不思議と射精は起こらなかった。
 それどころか、幾分興奮が覚めていくようだった。

「弥生……?」

 顔付きにも理性が戻るが、今の弥生にとって、それは好ましくないことだ。
 貝塚によって成された以上に、彼を興奮させなくては、自身の優位を証明出来ない。
 弥生は何も言わずに、手にしたペニスを扱き始める。

「うっ、くっ……な、何を……」

 戸惑いを口にする樫田だが、身体は快楽を認め、甘い痺れに苛まれ始める。
 弥生の手は亀頭のくびれを重点的に責めるように動いていた。
 それに合わせて包皮が剥けたり戻ったりを繰り返す。
 先端に滲んでいた我慢汁は伸び広がり、ぬちゃぬちゃと音を立てながら糸を引いている。
 少女の細い指に扱き立てられる男根は、甘い痺れに飲み込まれていく。
 樫田は、蕩けたような表情を浮かべている。
 それでもまだ足りなかった。
 貝塚の誘惑を受けている最中の、絶頂寸前と言った様子で恍惚としている姿には劣っていた。
 
 片眉を上げた弥生が、じれったげに吐息を漏らしつつ、男根を解放する。

「はあ、はあっ……。や、弥生、どうしてこんな……」

「……良いから、渉はじっとしていて」

 目も合わせずにそう告げた彼女が、身を屈める。
 指先で愛でていたペニスへと顔を寄せる。
 屹立した生殖器に火照った吐息が触れると、それだけで樫田の口からは嬌声めいた呻きが上がった。
 震える声で彼が言う。

「弥生、ま、待って……!」

 彼女の唇は、肉棒に触れるか否かと言った距離にある。
 口淫へと移行するであろうことは、容易に想像出来た。
 先に行われた貝塚と弥生のやり取りは聞いていたが、何故ここまで挑発を真に受けているのか。不自然なまでに迫ってくる想い人に対して樫田は困惑を隠せなかった。
 
 そんな彼の意識に気をやることもなく、弥生は中途半端に包皮の剥けた男根をぱくりと咥え込んだ。
 樫田の口からは甘い声音が上がった。

「んくっ、ふっ、ううう……!」

 温かく湿った口腔に敏感なペニスが包み込まれるのは、至高の快感を彼にもたらしていた。
 それでも絶頂へは至らなかった。
 弥生はその事に筆舌に尽くし難い苛立ちを覚えた。
 貝塚に対しては、包皮を弄ばれるだけで今にも果てんばかりに身悶えていたのが、口まで使っている自分に対しては、喘ぐばかりだ。
 怒りに身を任せるままに、ペニスを口腔で扱き立てる。
 口内にて、舌を用いて包皮を綺麗に剥いてやり、頭を前後に揺らす。
 ちゅくぷっ、くぷ、くぷ。
 瑞々しい唇に、男根が飲まれて吐き出されてを繰り返され、湿り気を帯びた音が室内に響く。

「あっ、あ、ああ、ああぁ……!」

 樫田の全身が大げさな程にビクビクと震え上がる。
 ある種献身的な責めに、彼は為す術も無く飲み込まれていく。
 ペニスの先からは、その身が枯れ果てんばかりに先走り汁があふれ出し、弥生の口元から唾液と共にポタポタと滴り落ちる。
 樫田は甲高い声を上げて、身を仰け反らせた。
 視線を下方へ向ければ、清流の様な髪を揺らしてペニスをしゃぶる弥生の姿が目に映る。
 この状況をすんなりと受け入れることは出来ないが、鼓動は高鳴り、思考は興奮で白く染まっていった。
 弥生が唾液や我慢汁を、じゅるじゅると音を立てて啜りながら、ペニスを強く吸い上げた。
 その快感は背筋を伝い脳へと至る。
 脳内に広がる多幸感に酔い痴れ、樫田は蕩けた顔を浮かべた。
 ややしばらく、弥生は彼のペニスを口腔で責め続けたが、それ以上の反応――つまり、絶頂はおろか、その前兆すらも引き出すことは出来なかった。
 
 徒労感に、顎の疲れも相まって、弥生はとうとう顔を上げた。

「どうして……」

 切羽詰った表情で彼女は言った。
 
 その悲痛な面持ちは、樫田を動揺させると同時に、酷い自己嫌悪をもたらした。
 唾液で濡れそぼったペニスは今にもはち切れんばかりに膨らんでいる。口淫の最中も確かに快楽はあった。
 もうしばらく刺激が続いていれば、射精へ至れたかも知れない。
 失意の弥生を前に、居た堪れなさを感じる樫田は、そんな希望的観測に縋らざるを得なかった。

「や、弥生――」

 名を呼ぶ声音は、半ばで遮られた。
 替わって彼の口から上がるのは、苦しげなものを含んだ吐息だった。

 彼は、貝塚の足によって床へ押し倒されていた。
 胸板に乗せた細い脚を左右に捻りながら、彼女は弥生を嘲笑う。

「生娘の割には良く頑張った方ね。でも残念。あんな生易しいやり方じゃ、もう満足出来なくなっちゃってるのよ、彼」

 樫田は「違う」と声を上げたかったが、喉から出たのは、喘ぎにも似た妙な音だった。

「そんなの……嘘……!」

 震える声で言いながらも、弥生の目には、しきりに脈打ち、我慢汁を滴らせる男根が映っていた。

「嘘かどうかは……そこで見ていなさい」

 そう告げるなり、貝塚は樫田の両足を掴んで、脇に抱えた。
 すらりとした脚が樫田の股に差し込まれる。
 黒いストッキングに包まれたつま先がペニスを押し潰す。

「あっ……あうっ、あああぁ……!」

 樫田は嬌声を上げて身を震わせた。
 肉棒を踏み付ける足から逃れんとする意識も残っていたが、身体は言う事を聞かなかった。
 弥生から口淫を受けている間に感じていたもの以上の、甘い疼きが全身に響き渡っていた。
 あられもない声を上げる彼を見下ろして、貝塚は小さな笑みを零した。
 つま先が前後に動き始める。
 唾液と我慢汁でぐっしょりと濡れたペニスを足裏で扱かれる。
 樫田の嬌声はますます甲高くなっていった。
 それは明らかに、弥生が彼の身を責めている最中よりも、強い興奮と快感を示していた。
 樫田自身、それを分かっていた。
 それ故に声を押し殺そうとするも、そう努める程に、媚びるような甘い喘ぎが漏れ出してしまう。
 脚の動きは止まることなく、的確に彼を追い詰めていく。
 親指が雁首の裏筋を撫で、かかとは先走り汁を搾り出すように、根元から頭へと向かって圧を加える。
 睾丸はきゅっとせり上がり、今にも精を尿道へと流し込まんとしていた。
 絶頂へ至る寸前の心地良く甘ったるい感覚に、樫田は酔い痴れていた。
 その顔は蕩け切っている。
 それでもなお、弥生へと気を割く意識はあった。
 そうは言っても、声を抑えることはおろか、迫りつつある射精から逃れる術すらない。
 出来る事と言えば、目を瞑ることのみだった。
 股座から顔を上げた彼女が見せた表情を思い返すと、胸が締め付けられるようだった。今、彼女が如何なる顔をしているのか。それを知るのが怖かった。
 
 無心で瞼にぎゅうっと力を込める樫田だが、眼前の辺りで何かが動く気配を認めて薄目を開いた。
 何かが顔面に影を作っている。
 すぐに足だと分かった。
 それと同時に、踏まれていたはずのペニスが解放されているのに気付いた。
 足元側に立っていたはずの貝塚は、何時の間にやら正反対の位置に居た。
 樫田の脚は依然として彼女が抱えたままで、身体は『くの字』のように曲げられている。俗に言う「ちんぐり返し」の格好に近い。

「なっ、なんで」

 彼が小さく呟いた後、貝塚はその顔を踏み付けた。
 ペニスを弄んでいた彼女の足は、体液に濡れていて然るべきはずだが、そこに湿り気は無かった。
 貝塚の放つ甘く淫靡な香りを濃縮して、そこに生々しい蒸れたものを含ませたような匂いが鼻腔を抜けて、肺を満たす。
 どくんっ、と鼓動が大きく鳴った。
 次いで視界が歪む程の興奮が彼を襲う。
 男根が大仰に打ち震える。そこから、ぴゅっ、ぴゅ、と数滴の我慢汁が放たれた。
 腰の奥からは熱い物が込み上げてきている。
 それに呼応するかのように、今日へ至るまでに貝塚から受けた躾の記憶が繰り返し再生される。
 罪悪感や背徳感。それに伴う倒錯的な快感。
 彼はそれらを刻み込まれてきた。
 
 禁忌の甘味を覚えてしまっている樫田は、無意識の内に弥生へ目を向けていた。
 貝塚の足によって視界の大半は遮られているが、弥生の表情は良く見えた。
 それは呆然としているようにも、悲しみに暮れているようにも思えた。
 どちらが正解であるにせよ、彼女の中にある想いは消えていなかった。
 樫田はそのことを直感で理解出来た。
 頭がくらり、と揺れるような心地がした。
 こんな状況にありながらも、見限ることなく心を寄せてくれている少女を前にしながら、別の女に発情している。
 それはまさしく裏切りに対する仄暗い悦びだった。
 ペニスの付け根辺りで渦巻いていた熱い物が、出口目掛けて殺到する。
 鈴口から白いものが噴き上がるまでの一瞬、樫田と弥生の視線が交錯した。
 
 彼女の縋りつくような眼差しに、全身が強張った。
 傷心する弥生の姿に、樫田は自虐的なものを内包した被虐感を認めずにはいられなかった。
 大切な想い人を傷つけながら、虐げられる悦びに耽る。
 酷く倒錯的な興奮の中で、樫田は果てた。
 どろり、としたものが尿道を駆け抜けていく。
 その感覚に背筋はゾクゾクと震えて、思考は快感によって真っ白に染まる。
 ぶびゅっ、びゅるっ! びゅっ!
 叩き付けるような勢いで吐き出される精液が、己の身へと降りかかった。
 
 長く続いた射精が止むと、貝塚が脚を上げた。
 手放された樫田の下肢は、何かに支えられているかのようにゆっくりと床へ落ちていった。



11.暗転


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