FC2ブログ

ぷるんぷるるん

女の子に気持ち良くいじめられるM男向け官能小説公開中。

32.彼らの記憶

 絶頂の余韻でビクビクと震え続ける樫田の下半身に、下着とズボンを履かせ直して、知奈が布団から出ようとモゾモゾ動き出す。
 ややして頭の先が見えると、樫田は身構えた。
 あの長い舌や、無数の舌を有する口の持ち主が、人間であるはずがない。
 布団の中に潜り込んでいった時とは全く違う化け物めいた姿が現れるのではないかと恐怖し、身動き出来ずにいた。

「ぷはっ……。熱い」

 そう言いながら、少し汗ばんでいる以外に変化のない知奈が顔を見せる。身体にもおかしなところはない。
 そうなると、ますます先の出来事が現実だとは信じられないが、樫田はひとまず安堵した。
 彼が脱力していると、知奈が布団に跨がった。
 腹に乗られたことで「うぐ」と呻いた樫田の顔を見下ろして、にこにことしながら知奈は言う。

「ごちそうさまでしたっ。渉の精液、美味しかったよ」

 言葉の内容に全くそぐわない、屈託のない笑みと声音だった。
 樫田はぽかんと呆けた顔をして、思考を失った。
 まさか「おそまつさまでした」などと返事をする訳にもいかない。
 彼が黙っていると、知奈が「あっ」と声を上げた。

「聞きたいことがあるんだよね?」

「あ、ああ……」

「何でも聞いて、私に答えられることなら、頑張って答えるから!」

 知奈はそう言って、相変わらずのにこにこ顔を浮かべている。

「じゃ、じゃあ、あの知奈ちゃん……さっきのは一体……?」

 聞くべきことはいくつもあったが、どうしても先の出来事への関心が先に立ってしまった。
 知奈は少し考えたあと、こう言った。

「ご、ごめんね、実は私にも良く分からないの……。渉のことを気持ち良くしようと思ったら出来たの。あっ、ほら、口は普通の口だよ?」

 口を大きく開く。その端に両手の人差し指を引っ掛けて、無理矢理広げて見せる。
 樫田の目には確かに何の変哲もない口腔に見えた。
 では、先の出来事は単なる錯覚なのか。そうではないのだろう。知奈は「出来た」と言った。
 人間離れした口淫は現実の出来事なのだろう。どうしてそれが可能なのかは、知奈にも分からないらしい。
 彼女に分からないのなら、これ以上は考えても無駄だ、という結論に達するまで、樫田は十数分黙って思案していた。
 次の質問に移ろうと視線を上げると、知奈は目を瞑って前後に小さく揺れていた。

「ち、知奈ちゃん?」

「ん……。ご、ごめん、なんだか眠くて……。質問は、また今度……」

「ま、待って! 最後に……あっ! お、俺達は会ったことがあるのか!?」

「……あるよ。だって私はずっと前から……知奈の中に……いた……」

 徐々に小さくなっていく声が完全に消え入ると同時に、知奈の身体は前へぐらりと倒れた。
 樫田が慌てて手を伸ばすが、空を切るのみだった。
 消えた。彼がそう認識したのと、ベッドで眠る知奈が小さく呻いて寝返りを打ったのは、ほとんど同時だった。
 最後に彼女が告げた言葉を信じるならば、消えたのではなく、戻った、が正しいのだろう。

「うーん……」

 全ては夢だったのかも知れない。
 それが最も妥当な考え方であるとしつつも、樫田は納得出来なかった。異常な口淫の感触が、まだペニスに残っているような気がしてならなかった。

 なんにせよ、一度眠って冷静になろう。
 樫田は、そう決めて目を閉じたが、睡魔はなかなか訪れなかった。
 一連の出来事が自然に脳裏に浮かぶ。それらに対する「ああでもない、こうでもない」といった取り留めのない考えも湧いてくる。
 考え込まないように努めている内に、薄らと眠気がやってくる。
 波間を漂う藻屑のような曖昧な思考は、弱い眠気を受けて、形を変える。それは明晰夢にも似た、思考と地続きになっているような夢だ。

 そんな夢だった為に、目を覚ました樫田は判断に迷った。
 知奈やその別人格の言葉を受けて生まれた単なる空想だったのか、あるいは過去の記憶が夢の形を成して蘇ってきたのか。
 樫田は夢の中で、幼い頃の知奈と出会ったのだ。
 今の彼女からは想像も付かないぐらいに喜怒哀楽が激しく、泣いたり笑ったりを忙しく繰り返しながら、後を追ってくるような子だった。
 
 夢の根幹が、単なる空想なのか、忘れていた記憶なのか。
 その判断を付けられないのは、知奈に纏わること以外に関しても、過去を曖昧にしか思い出せない為でもあった。
 そこがはっきりとすれば、知奈に関することも分かるはずだと樫田は己の記憶を遡り始めた。
 その密かな作業は、結果が出ないまま朝から昼まで続けられた。
 一向に蘇る兆しの見えない記憶に挑み続けることに疲れ果て、ぼんやりと知奈の横顔を見つめている中で、不意にそれは訪れた。
 現在の自分に対する落胆。自分はこんな人間ではないはずだという思い。
 幼いがゆえの万能感に満ちた状態で知奈と接していた時の精神状態へと一気に引き戻される。身体がカッと熱くなり、樫田は訳もなく立ち上がった。
 授業中だ。視線を集めていることにも構わずに、彼は声を上げた。

「知奈ちゃん! 思い出した、思い出したよ!」


33.珍妙なやりとり

PageTop

31.異質な口淫

 布団の中に潜った知奈は当然とばかりの手付きで、樫田のズボンと下着をまとめて脱がせた。
 皮を被った男根は、すっかり起ってしまっていた。
 知奈はペニスに顔を近付けて鼻を鳴らしてから、うっとりとして言った。

「渉のおちんちん……とっても美味しそうな匂い……」

「ち……知奈ちゃん……」

「ふふっ。いっぱい出してね」

 そんなことを言いながら、知奈は陰嚢に口を付けた。
 ちゅうっと吸って口腔に捕らえた睾丸に舌を絡ませる。
 柔らかな舌が敏感な部位を這う感覚に、樫田は堪らずに喘ぎ声を上げた。
 知奈の舌はいっそう激しく睾丸を責め立てる。縦横無礙(じゅうおうむげ)にあらゆる動きをして、無数の快楽を奏でた。
 全身を痙攣させて快楽に悶える樫田は、一瞬だけ何らかの違和感を覚えたが、その正体を探る余裕はなかった。
 舌は蠢き続け、樫田に快感をもたらし続ける。ペニスの先から我慢汁が滲み出し、睾丸は知奈の唾液でぐっしょりと濡れている。
 知奈が陰嚢から口を離して声を上げる。

「わあ……。おちんちん、さっきよりも大きくなったね」

 樫田ははあはあと息を切らすばかりだ。返事をする余裕はなかった。
 陰嚢には未だに舌が這い続けているかのような強い余韻が残っていた。
 知奈の言葉でいう『さっきよりも大きくなった』ペニスに、彼女が口を付ける。
 可憐な唇が男根に触れると、樫田はビクッと身を震わせた。
 舌が這わされる。
 ここで樫田は再び何かがおかしいと感じた。
 今度はさすがに原因に気付いた。舌が余りにも長すぎる。睾丸を責められている時には何となくとしか感じなかったが、今は違う。
 ペニスの真ん中辺りに唇が触れているのに、そこから伸びる舌先は亀頭の更に向こう、余った包皮の入り口に触れているのだ。

「ちっ、知奈ちゃん……!?」

 驚愕の声を上げた樫田だったが、知奈から返ってきたのは言葉ではなく快感だった。
 人ならざる長さの舌が、包皮をぬるっと剥き、そのまま亀頭にぐるりと巻き付いてゆっくりと扱いたのだ。

「あっ、あああぁっ!」

 布団の中であり得ないことが起こっている。僅かに残る理性がそれを認めるものの、男根を扱かれてしまうと、どうでも良くなってしまう。
 気持ち良い。ただそれだけが樫田の思考を支配していた。
 舌はぬるぬると唾液を塗り広げながら、丹念に男根を扱いた。
 樫田の口からは喘ぎ声ばかりが上がり、腰は上下にガクガクと震えていた。
 ややして、鈴口から溢れ出した我慢汁を舐め取りながら、舌が引っ込んでいく。
 刺激が止んで快感が引いていくと、途端に樫田は恐怖した。

「い……一体なんなんだ! やっ、やめてくれ……!」

「ふふふっ。本当にやめて欲しいの? 渉のおちんちんはそんなこと思っていないみたいだけど?」

 くぐもった知奈の声。次いで、ペニスを根元からゆっくりと舐め上げる舌の感触。
 怯えているにも関わらず、男根はいつも以上に敏感になっていた。
 樫田が短く喘ぐと、知奈は「ほらね」と笑った。
 それから彼女は、ペニスを咥え込んだ。
 下腹部に走った甘い痺れに、樫田が声を上げる。

「うっ、ううう、こ、今度はなんだ!?」

 ペニスを包み込む感触は、口腔のそれとは思えなかった。
 柔らかな肉が隙間無くくっ付いてくる。今の彼女の口は、まるで陰茎を挿入する為だけに作られた器官であるとしか思えないほどだ。
 樫田はまだ味わったことのない女陰の感覚を想像した。
 もちろん、実際にそこにペニスが飲み込まれた訳でないことは、理解している。
 鼻が陰毛に触れていたり、髪の毛が太ももに垂れていたりするのだ。知奈の顔が股間に埋められていることに間違いはない。
 更なる異変が樫田を襲う。
 ペニスに生じる刺激の種類が変わった。今度は、四方八方から無数の舌で舐められている感覚があった。舌先がちろちろと小刻みに動かされている。
 樫田が悲鳴を上げる。彼が恐れたのは、人体の構造に反する刺激に対しても勿論だが、それ以上に気持ち良くなり過ぎてしまっていることに対してだった。
 彼は、これまで味わったどんな快感よりも強い快感に襲われていた。
 そんな中で、口腔が再び変異する。
 舌がそれぞれ長く伸び、ペニスに巻き付いた。一本の筒に似た形になっているのだろう。それが上下に揺り動かされる。

「あっ……あ、あ……」

 樫田は目を見開き、呼吸するのも忘れるほどの快感に襲われていた。
 無数の舌で作り出された長い穴でペニスを扱かれているのだから、無理もない。
 腰の奥から熱い物が昇ってくる。
 樫田の中にはもう恐怖が残っていなかった。
 異常な刺激を恐れる余裕もなくなるほどの快感が、耐えず込み上げてきている為だった。

「ああ……あああぁ……!」

 弱々しい、喘ぎよりも悲鳴に近い声を上げて、樫田が果てる。
 ぶびゅっ、びゅるる!
 腰をガクンガクンと大きく震わせながら、たっぷりと精を吐き出す。
 永遠に精液が止まらないのではないかと錯覚するぐらいに大量の精液が放たれた。
 舌は、乳搾りでもするかのように、根元から順にきつくペニスを締め上げた。
 そうして尿道に残っていた白濁液まで啜ってから、知奈はペニスを離した。


32.彼らの記憶

PageTop

三連休は射精管理日和

※DL販売中の小説の紹介記事です。


M男に興味を持った女の子(派生作品も含む)の続編です。
プレイの方向性もだいたい同じで、ゆるやかな主従(SとM)関係のなかで、羞恥を煽られたり、気持ち良いことをされたり、意地悪されたりといった内容です。

具体的には、前半が、貞操帯を用いた射精管理(三日間)、乳首責め、アナル責め、羞恥プレイ、言葉責め。
後半が、騎乗位で連続射精させられる、といった感じです。

ヒロインは過去作同様、女子校生、絵が好き(本作では描写なし)、M男好き、年下(主人公をお兄さんと呼ぶ)、強気な顔立ちの美少女です。

年下の美少女といちゃいちゃしたり、辱められたり、たっぷり搾り取られたり、といった内容がお好きな方はぜひどうぞ。


ブログや過去の同人作品を読んでくださった方に向けて付け加えると、今回は割りとテンポ重視に仕上げました。心理描写よりも行動描写が多めかなと思います。

三連休は射精管理日和

(タイトル画像を華やかにしようとしたら、却ってダサくなってしまったと思っているのはここだけの秘密です)



下記サイトにて販売中です。
同人誌、同人ゲーム、同人ソフトのダウンロードショップ - DLsite.com

PageTop

30.異変

 頭の中にデン、と陣取ったもどかしさに悩まされつつも、二人は眠りに就いていた。
 奇妙な出来事に見舞われていたとしても、時間は淡々と過ぎ、日常の雑事が追い掛けてくる。
 明日の学業に支障をきたさない為に、諸々の疑問には一旦ふたをするしかなかった。
 
 深夜、樫田は突然目を覚ました。
 寝起きの呆けは殆どなく、意識は非常に鮮明だった。
 彼は自分がどうして目を覚ましたのかを考えたが、思い当たる節は一つもなかった。
 尿意もなければ、悪夢を見ていた気配もない。理由もなく意識だけが冴え渡っていた。
 自身の状態を妙だと思いながらも、眠り直すことは出来そうになく、樫田は上体を起こした。
 それから何とはなしに知奈のベッドを見やって、息を呑んだ。
 人影が二つあった。
 一つは掛け布団に潜ったまま動かない。もう一つは、ベッドに腰掛けてうな垂れていた。
 声を上げそうになるのを堪え、改めて観察すると、どちらも女子であることが分かった。更に目を凝らしてあることに気付くと、今度こそ彼は混乱し、「えっ!?」と声を上げた。
 二人の女子は、どちらも知奈の姿をしていた。
 うな垂れていた方の知奈が顔を上げたのを認めて、樫田は反射的に問い掛けた。

「だ、誰?」

「……渉?」

 声音は知奈のそれと全く同じだが、彼女は樫田を名では呼ばない。
 そうすると、声を上げたのは知奈ではなく彼女の別人格になる。もう一度枕元を見やるが、そこにある顔に変化はない。

「一体何が……」

 樫田が呆然と呟くと、知奈が口を開いた。

「待って……。私も混乱してるの。それに、凄くお腹が減って……」

 こんな状況で腹が減ったとは何と暢気なのだろうか。
 樫田がポカンとしていると、起きている方の知奈がベッドを下りた。
 彼へと近付きながら言う。

「私に分かることなら教えてあげるから……だから……ちょうだい?」

 皆まで言わずとも、彼女が何を欲しているのか理解出来た。
 知奈の顔にはぞっとするほどの色香が浮かんでいた。
 こんな表情で食事を求める人間などいない。
 樫田は下腹部が熱を帯びていくのを認めつつも「でも」と弱々しい抗議の声を上げた。

「大丈夫。あっちの知奈なら起きないよ。理由は分からないけど……でも、今は絶対に起きないって分かるの」

 そんなことを言いながら、その知奈が樫田のベッドに上がる。
 潤んだ瞳で見つめられると、樫田は言葉を失ってしまった。
 湧き上がる肉欲が思考を塗り潰していた。
 知奈が布団の中へと潜り込み、樫田に寄り添って耳元で囁く。

「だから……ね? ちょうだい……渉のエッチなミルク……」

 語尾にハートマークが付いていても何の違和感もないような甘ったるい声音だった。
 樫田はただ真っ赤になって身を強張らせるばかりだ。
 
「答えてくれないなら、おちんちんに直接聞いちゃおうかなあ」

 知奈が彼の下半身へと腕を伸ばす。
 下着の中へと滑り込んだ手が、硬く膨らんだペニスに触れた。

「これはオーケーってことで良いんだよね? 渉」

 妖艶に問い掛けながら、知奈はペニスを優しく握った。
 樫田の男根は、彼自身が思っているよりも発情し、敏感になっていた。握られただけにも関わらず、甘い痺れに苛まれてしまう。
 樫田は、ビクッ、と腰を震わせ、喘ぎ声を上げた。
 それを承諾の合図と見なした知奈が、掛け布団に深く潜り込んだ。



31.異質な口淫

PageTop

29.過去のこと

 樫田は改めて知奈の別人格と出会った時のことを語った。
 彼が伝えたかったのは、彼女が開口一番に「久しぶり」と発したことだった。

「どうしてそれを早く言わなかったの」

 知奈が樫田の頬を抓る。

「うっ。ご、ごめんなさい。普段の松丸さんとあまりにも様子が違うし、向こうも曖昧だったから、勘違いか何かだと思って……」

「……そう思ってるのなら、なんで昔に会ったことがあるだなんて言い出したのよ」

「それは……その……」

「言いたいことがあるなら、はっきり言いなさい」

「はっ、はい」

 そう返事はしたものの、やはり樫田は気乗りしないようだ。
 恐々と知奈の表情を覗いつつ、なんとか口を開く。

「あの……く、くすぐられている時の」

 そこまで言うと、知奈が樫田をジロリと睨んだ。
 樫田は怯えて言葉を詰まらせる。視線を泳がせる彼をしばしの間、知奈は激しい目付きで見つめていたが、「続けて」と小さな声で言った。

「はい……。あの、その時の顔を思い出すと」

「は?」

「うっ。こ、この話が終わったらすぐ忘れます」

「続けなさい」

「えっと……その……何だか自分でも松丸さんに会ったことがある気がして。でも、ぼんやりとそう感じるだけだから、ずっと昔のことじゃないかと思って」

 言い終えると、樫田は罵声が飛んでくるのではと身構えた。
 結局は勘に基づく話であり、信用に足るものではない。喋っている内に自分でそう感じたのだ。
 だが、罵声は飛んでこず、知奈は何やら考え込むばかりだ。
 彼女には引っ掛かることがあった。
 それを確かめるべく、樫田を廊下へと追い出した。
 理由も分からず放り出された樫田は、その場が女子寮である為においそれとほっつき歩くことも出来ずに立ち尽くすのみ。
 廊下を歩く女子達は、樫田が如何なる処遇の身か知っている。お仕置きか何かで立たされるのだと勘違いした彼女達は、くすくすと笑って彼の前を通り過ぎていった。
 十数分ほどして、知奈がドアを開いた。
 彼女は、妙に疲れた顔をしている樫田を不思議そうに見やりながら、中へと入れてやった。
 
「……母親に電話をしていたの」

「お母さんに?」

「もしかしたら……いえ、きっと貴方の言う通りね。会ったことがあるのよ、私達」

「ええっと、お母さんがそう言ったんですか?」

「はっきりとそう言った訳じゃないわ。ただ……私が小さい頃に仲が良かった男の子がいるって聞いたわ。私はその頃の記憶が曖昧だけどね。……因みにその子とは、引越しで疎遠になったみたいよ」

「じゃあ、その男の子が俺で、その頃に松丸さんと……」

「確証はないけどね。たぶん、そうよ」

 では、別人格の基礎は幼い頃の知奈なのだろうか。
 二人は揃って首を捻ったあと、恐らくそうだと仮定した。

「でも……やっぱり変ね。何の根拠もなく、どこからともなく現れた謎の人格、ではないとして、昔の私を基にした人格だとしても、急に出てくるのは変よ」

「それは……」

 ウンウンと唸りながら考える二人だが、もちろん答えは出なかった。



30.異変

PageTop